Amazonで販売、転売を行いたいという方は非常に多いです。そこで絶対に外せないのが「FBA(フルフィルメント by Amazon)」です。
Amazonの集客力や知名度は他プラットフォームと比べても圧倒的に高いので物販で最速で結果を出すためにはAmazonを利用しない手は無いです。
そしてAmazonで出品を検討する際によく聞かれるのが「FBAを利用すると便利だよ」という言葉。日常生活ではほとんど聞かれない言葉なので、最初はみんな「何それ?」という状態です。
FBAはAmazonで転売をするのであれば絶対に必要になる要素なのでしっかりと内容を把握しておきたいですね。
そこで今回はFBAの基本情報、特徴、利用するメリットなどを簡単にまとめてみましたので順番にチェックしてみましょう。
この記事に目を通せばFBAがどんなものなのか?どうやって導入すればいいのかがハッキリとイメージ出来ると思います。
この記事の目次
FBA(フルフィルメント by Amazon)とは何か?
FBA(フルフィルメント by Amazon)とはAmazonが提供する物流サービスとなります。「フルフィルメント」という日常生活ではあまり耳にしない言葉が出てきます。英語のフルフィルメント(fulfillment)は「遂行」「実現」などを意味する単語ですが、通販やECサイトにおいては商品の受注から決済に至るまでの業務全般のことを指します。通販サイト、ECサイト運営では主に以下のような業務が発生します。
- 在庫管理
- 商品の梱包
- 商品の発送
- 決済
- 返品対応
- クレーム対応
以上のようなECサイトを運営する上では欠かすことができない業務のことをフルフィルメントといいます。そしてFBAは商品の注文、梱包、発送、在庫管理、クレーム対応などすべての業務をAmazonが代行してくれるサービスとなっています。
つまり「商品が売れてからの業務はすべて私たちが担当します」というのがFBAの役割となります。このFBAを利用することで販売者は手間がかかる梱包や発送作業を行わなくてもよいため、より売れる商品のリサーチや仕入れに時間をかけることができるようになります。
詳細は後述しますがFBAを利用することで販売者には多くのメリットがもたらされます。
Amazonが2016年4月に実施した調査では86.4%の出品者が「FBA利用開始後のほうが売上が上がった」と回答しています。この調査結果からもわかるようにFBAを正しく利用することで売上拡大も期待できるため、Amazonで腰を据えて販売業務を行いたい方には特におすすめといえるサービスです。
FBA(フルフィルメント by Amazon)の利用で売上拡大を目指せる
前述のようにFBAを利用することで売上アップも期待できるようになります。ではなぜFBAを使うことで売上拡大を目指すことが可能になるのでしょうか?ここではFBAが売上アップに貢献する要因などを解説します。
Amazonのプライム対象商品になる
Amazonを利用していると価格横に「プライム」と記載された商品を見かけることがありませんでしょうか?これがAmazonにおいて「プライム対象商品」と呼ばれるものです。プライム対象商品とはプライム会員特典が利用できる商品のことを指しています。プライム会員が受けられる主な特典には以下のようなものがあります。
- 無料の配送特典 (対象商品のお急ぎ便、お届け日時指定便が無料で利用できる)
- Prime Now (1時間以内またはご指定の2時間便で商品が届く ※対象エリアのみ)
- プライム会員限定先行タイムセール (タイムセールの商品を通常より30分早く注文できる)
この他にもプライム会員はさまざまな特典を受けることが可能であり、Amazon内でショッピングをする際には一般会員よりも優遇度が高いサービスを提供されます。そしてプライム会員は年間3,900円(もしくは月額400円)の料金を支払っていることもあり、Amazonを頻繁に利用する傾向があります。
したがってAmazonで売上を拡大するには「いかにプライム会員にアピールできるか?」というのもポイントになります。出品する商品がプライム対象商品になることで、自然とプライム会員の注目を集めることが可能です。これがFBAを利用したほうが売上が上がるといわれる要因の一つとなります。
通常配送が無料になる
AmazonではFBAを利用することで「通常配送無料(一部商品除く)」のサービスを受けることが可能です。Amazonでは発送する商品の合計額が2,000円以上になると送料無料で配送を行ってくれます。
通販サイトやECサイトで商品を購入する際、多くのユーザーは送料も見ています。中には送料が高いという理由で購入をやめてしまう方もいるほどです。それほど送料というのは売上拡大を目指す上で大事な要素となります。
FBAを利用している商品はAmazonから発送される扱いとなるので、送料無料のサービスが適用されるということですね。自身で発送を行っていたら送料を無料にするのは難しいという方もいます。そのような方にとってもFBAは適しているといえます。
出品商品の検索結果上位が期待できる
前述のようにFBAを利用し、送料が無料になることで検索時に商品が上位表示されやすくなります。
もちろんAmazon内には多数の競合が存在するため、必ずしも出品した商品が検索上位に表示されるとは限りません。
しかしプライム対象商品、通常配送無料などの特典が適用されるため、注目度や検索結果には大きなメリットをもたらすことは間違いないでしょう。露出が多くなればその分売上アップにもつながりやすくなります。
ショッピングカートボックスの獲得率アップ
Amazonで売上拡大を目指すには「ショッピングカートの獲得」が一つのポイントとなります。Amazonの商品ページ内には目立つ箇所に「カートに入れる」というボタンが設置されています。
「カートを獲得している」という状態はこの「カートに入れる」ボタンとつながっている販売者のことを指しています。Amazonでは同じ商品を複数の業者が販売していても、商品ページは一つのみという基本的なルールが存在します。
一例ですが同じ商品を30の店舗が販売しているとします。この際、購入者はよほどのことがない限り全店舗をチェックすることはありません。価格や送料が同じであればなおさらその傾向は強くなります。
したがってこの場合は「カートに入れる」ボタンとつながっている販売者は有利な状況で販売を行うことが可能となります。これがAmazonにおいてショッピングカートボックスの獲得が重要視されている理由です。
FBAを利用することでAmazonが販売している商品と同等の配送レベルを維持できるようになるため、結果的にカート獲得率を高めることができます。もちろん「競合が多い」などの理由で必ずしもカートを獲得できるとは限りませんので、この点は注意が必要です。
最短お届け日の表示で購入率アップ
購入者の心理としては「〇〇日までには届く」とわかっている商品のほうが安心感が高まります。FBAではこのお届け日に関する情報もしっかりと商品ページに表示することが可能です。
Amazonが販売、配送する商品には「最短お届け日」が表示されています。FBAを利用することで配送はAmazonが行ってくれることになるため、利用者はAmazonと同じく「最短お届け日」を表示できるようになります。
ECサイトや通販サイトでショッピングをする方の中には「絶対に〇〇日までには届けてもらわないと困る」という方もいます。FBAサービスはこのような層に対しても大きな効果を発揮します。
決済手段が豊富
FBAは購入者の決済方法も豊富な点が魅力的です。FBAの利用で注文時に選択することができる決済手段は以下のとおりです。
- クレジットカード
- 代金引換
- コンビニ
- ATM
- ネットバンキング
- 電子マネー
- Amazonギフト券
- Amazonショッピングカード
ご覧のようにFBAを利用することで購入者の決済方法の選択肢は大きく広がります。ECサイトやネット通販業界全般にいえることですが、決済方法の幅広さというのは売上拡大を目指す上では非常に大切です。
過去にさまざまな企業がECサイトの決済方法に関するアンケート調査を実施してきましたが「希望する決済方法がなかった場合、そのECサイトでの購入をやめる」と回答した方の割合は約20%~30%となっています。
つまり10人に2人~3人は決済方法が理由で商品の購入を断念しているということです。FBAは購入者の決済方法に関する悩みも解消されているため、売上拡大が目指せる環境が整っています。
FBA(フルフィルメント by Amazon)の利用で業務の効率化
FBA利用で売上拡大を目指すことができるのは「業務の効率化」を実現できるためです。ここではFBAの利用で「なぜ業務効率化を図ることができるのか?」という疑問について迫ってみます。
24時間365日稼働しているから迅速な対応が可能
FBAは24時間365日稼働しています。これにより注文から出荷までの時間を通常よりも短縮させることが可能です。
ECサイトでは配送スピードというのも大切になります。配送の質やスピードが優れていることで、早く顧客に商品を届けることが可能であり、満足度も高くなります。
24時間365日の稼働は特に繁忙期や年末商戦などの時期には大きな武器となり、販売機会を逃すことなく商品を届けることができます。本業をお持ちのサラリーマンの方などは深夜に注文が入ってから梱包作業を行うことは難しいですよね?FBAではそれが可能になるため、作業の効率化につなげることができます。
配送後のカスタマーサービス、返品受付もAmazonが対応
FBAでは配送後のカスタマーサービスや返品対応などもAmazonが代行してくれます。
ネット販売は「配送が完了したから終わり」ということはありません。その後のカスタマーサービス(顧客サポート)や返品対応、受付の業務もしっかり行うことが大切です。しかし、この顧客サポートや返品対応ですが、実際にやってみると大変な作業です。時にはクレーマーの対応もしなければならないため、精神的に疲れることが多いです。
前述のように顧客対応をAmazonが代行することで、自身は商品の仕入れやリサーチにより多くの時間をかけることができます。ECサイト運営では顧客対応が苦手という方も多いため、そのような悩みを持つ方は積極的にFBAを利用することを推奨します。
ギフトラッピング・ギフトメッセージの要望にも対応
FBAでは購入者からのギフトラッピングやギフトメッセージの要望にも対応することが可能です。
購入者の中には自分用ではなくプレゼント用として商品を購入する方もいます。このようなケースではギフトラッピング、ギフトメッセージの要望に応えてくれる店舗や販売者から購入したいものですよね?
ラッピングを施したり、メッセージを作成するのは通常よりも時間と手間がかかります。しかしFBAを利用することでこれらの作業を自分で行う必要がなくなるため、作業の効率化を実現することが可能です。
FBAを使うことでギフトラッピングやメッセージ対応が簡単になりますので、プレゼント目的で買い物をする層も取り込むことができます。
高度なセキュリティ体制と安心・安全な保管システム
FBAが多くの出品者から支持される理由の一つにセキュリティの安全度が高いというのが挙げられます。Amazonでは出品者から預かった大切な商品を盗難、紛失させないように高度なセキュリティ体制を整えています。
具体的には警備員の配置、セキュリティゲートの設置、貴金属・時計専用保管エリアの設置などの対策を施しています。またこの他にも作業スタッフの手荷物の持込制限や商品持出のチェックなども行っているようです。
さらにFBAでは万が一のケースに備えて補償制度も設けられています。補償制度は商品破損などに対してAmazonの責任だった場合は適性な商品価格から手数料を差し引いた分を補填する内容になっています(最大27万円まで)。これらの徹底した商品管理や補償制度があるため、出品者は安心して商品を預けることが可能です。
FBAは簡単・手軽に利用できる環境が整っている
FBAは「手軽に利用できる」という点も支持者が多い要因となります。ここではFBAが簡単に利用できるといわれている主な理由を解説します。
初期費用・固定費が不要
FBAは梱包、発送、配送後の顧客対応まで代行してくれるにもかかわらず初期費用や固定費がかかりません。FBAの利用で発生する料金は以下の2点となります。
- 在庫保管手数料
- 配送代行手数料
この2点はFBAを利用する上では必ず支払う必要があります。したがってまったくの無料でFBAを利用することはもちろんできません。しかし初期費用や固定費がかからないというのは利用開始時には大きなメリットになります。
初期費用が発生すると手持ち資金が少ない方は躊躇する可能性もあります。また毎月固定費が発生するのも「売れなかったら損」と考えている方にとってはとっつきにくいものです。
もちろんFBAにも在庫保管手数料があるので、長期間売れない商品を大量に預けておくと余計な支出が増えてしまうので要注意です。ただし月額〇〇円のような固定費タイプと違って、商品を預けていない期間は手数料も発生することがありません。
この点がFBAの料金体系におけるメリットといえるでしょう。ちなみにFBAの在庫保管手数料は商品の寸法をもとに料金計算されます。自分が預けたい商品の手数料がいくらになるか調べたい方はAmazon内の「在庫保管手数料シミュレータ」を使うことで大体の料金を把握することができます。
【在庫保管手数料シミュレータ】
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200683190
1商品1点からの利用が可能
FBAは1商品1点のみでも倉庫に預けることが可能です。これは特に小規模で販売や転売を行いたいという方には大きなメリットとなります。通常のECサイト運営などでは売り切れという事態を防ぐために、事前にある程度まとまった数の仕入れを行います。
しかしこれだと在庫保管手数料も大きな額となりがちです。また大量に仕入れた商品が万が一売れない場合はムダに手数料だけ発生してしまうため、赤字になる危険性もあります。FBAでは1商品1点からの利用が可能なので事前に「お試しができる」環境が整っています。
これにより売れない商品の大量仕入れを防ぐことが可能であり、在庫保管手数料も抑えることができます。「手数料を極力抑えたい」「テスト販売してみたい商品がある」といった方にもFBAは適しているといえるでしょう。
簡単3ステップですぐに利用できる
FBAは以下のようなステップを経て利用できるようになります。
- Amazonの出品管理ツール(セラーセントラル)からFBAで出品したい商品を選択
- Amazonフルフィルメントセンター(FC)への納品手続きを行う
- 商品を指定のFCへ納品
ご覧のように至ってシンプルな手続きのみでFBAを利用することが可能です。この手続き方法であれば、パソコンが苦手な方や複雑な作業が得意ではないという方もFBAを簡単に使うことができますよね。注意点としては商品を倉庫に納品する際にはプリンター(自宅にない方はコンビニでも可)やラベルシールなどが必要となりますので事前に準備しておくようにしましょう。
納品の強い味方「FBAパートナーキャリア」が使える
Amazonと提携している運送キャリアである日本郵便で倉庫までの送料が特別待遇になるというサービスです。納品先倉庫の指定ができないというデメリットはありましたが、納品のコストがカットできるならなんの問題もなしですよね。
とは言ってもパートナーキャリアのサービス開始から無料キャンペーンというものを実施していたためで、2018年1月15日で無料キャンペーンは終了となり、いま現在は有料となっています。
さらに価格の改定も度々行われており、今では通常のゆうパックの料金とあまり変わらない金額になってしまっていることから、郵便局やヤマト運輸などの主要物流会社と特約を結ぶ転売実践者も増えています。
FBAマルチチャネルサービスが使える
他にもFBA利用者ならではのサービスとして「FBAマルチチャネルサービス」というものがあります。これは自社のECサイトや実店舗はもちろんのこと、他社のオンラインショッピングモールで販売している商品の発送や在庫管理をFBAで行うことができるというものです。
物流のセクションをFBAにアウトソーシングするというイメージで使えるので他の販路で販売している在庫をAmazonに一本化することができます。
またAmazonではなかなか売れにくい商品を複数販路で販売することで在庫リスクを軽減することができるようになるわけです。有在庫の物販を実践するのであればチェックしておきたいサービスですね。
まとめ
Amazonでの売上拡大を目指す上では非常に便利なサービスとなるFBA(フルフィルメント by Amazon)。通常ネットで販売や転売を行う時は商品の梱包から発送、その後の顧客サポートまですべて一人で行う必要があります。
これは本業をお持ちのサラリーマンの方にとっては大きなデメリットの一つとなります。しかしFBAを利用することでこれらの時間や手間がかかる作業をすべてAmazonに任せることが可能です。
これにより自身は仕入れ業務、販売業務のみに集中することができるため、時間がない方でも安定した副収入を得られる可能性が高まります。もちろん料金面や利用にあたっての注意点なども事前に把握しておくことが大事です(後々のトラブルを防ぐため)。
これら料金面や注意点も問題ないという方であればFBAを利用するメリットは非常に大きいですので積極的に活用していきましょう。ネット販売の煩わしい作業を省略したいという方はぜひ参考にしてください。FBAに関する詳細情報は下記のページからご覧いただくことができます。
【FBA(フルフィルメント by Amazon)】
https://services.amazon.co.jp/services/fulfillment-by-amazon.html