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インタラプションマーケティングって何?現代では有効ではない理由を解説

インタラプションマーケティングという言葉を耳にしたことはありますか。
今の時代ではあまり有効ではないとされているため知らない方も多いかもしれません。どういった背景があったのかも含めインタラプションマーケティングについて解説していきたいと思います。


インタラプションマーケティングって何?

インタラプションマーケティングとは、従来のマスマーケティングのことを言います。
インタラプションを訳すと妨害や中断を意味します。なぜこの単語が使われているかというと、従来のマーケティングの「消費者志向ではなく企業の論理で展開していく一方的な手法」が特徴だからです。これはつまり、顧客が欲していない情報までも一方的に送り続けていく手法となります。

このインタラプションマーケティングは、ターゲットやペルソナを設定せずに顧客層を大きな塊(マス)として捉えていました。その商品に興味があるかないかは気に留めず、顧客がその情報を欲しているかも気にせず、全員へ呼びかけることで一定の効果に期待するというものです。

もちろんこの方法は今でも効果があります。マスメディアを使ったテレビコマーシャルがその典型例です。
大企業のように資金力のある会社の場合は、数億単位の多大な広告費をかけることできます。実際にテレビコマーシャルの影響力は大きく消費者への商品の認知に期待できるでしょう。

また、ロングセラー商品やすでに認知されている商品、企業が宣伝をした場合、消費者はインタラプションマーケティングによる呼びかけにも安心して応じてくれるのです。

つまり顧客と企業の信用が出来上がっている場合は、ターゲットやペルソナの設定がなくとも大きな呼びかけで一定数の反応があります。

インタラプションマーケティングは時代遅れ?その理由とは

それではなぜ、インタラプションマーケティングが現代で有用でなくなってしまったのでしょうか。

1.消費者のニーズの多様化
現在ではお客様と一緒に商品やサービスを作り上げていくというように、お客様の声なしで商品開発は難しくなっています。
ライフスタイルの変化、伝統の変化、他にも様々な立場や価値観を持った人の情報がインターネットを通じて飛び交っています。

皆が同じものを欲しがることが昔と比べて少なくなったためにインタラプションマーケティングのマスの考え方では対応できなくなってきています。

2.消費者の購入までの意思決定の複雑化

この背景には商品を認知してから購入までの期間が長くなっていることが挙げられます。

従来のように商品の比較対象が少なく、インターネットが普及してない時代には、消費者が商品について調べるための選択肢が今ほどありませんでした。実際に商品を購入する、口コミや新聞雑誌のレビューなどしかありませんでした。
そのため、気になったらとりあえず購入する!という消費者が多かったのです。

しかしインターネットの普及、Webサイトの多様化により、誰でもキーワード一つで商品のレビューや類似商品が閲覧できるようになりました。インタラプションマーケティングにより、テレビコマーシャルで大多数へ商品を認知させることができたとしても、その後口コミを見て購入を断念したり類似商品のほうが魅力的で消費者が流れてしまったということも起こっています。

商品がよいから購入する! のではなく、商品がよいから(Webサイトの口コミを見て)検討する! という流れに変わってきています。

3.購入までのフォローができない
インタラプションマーケティングの場合、ターゲットを定めていないどころかセグメントという概念もありません。見込客がいま(購入までの)どの段階にいるのかが把握できないと正しいアプローチができないのです。これでは見込客がいま欲している適切な情報がわからず、購入を断念されてしまう可能性もあります。

4.セグメンテーションができない
購入までのフォロー同様、消費者がいまどの段階にいるのか。購入するまでにあとどれくらいの段階を経る必要があるのかを判断することができません。

例えば、大きな海の海底から漁網で根こそぎ取った魚の選別が困難であるように、
大きなマスで呼びかけて集客した見込客を段階別に選別するのは困難と言えます。予めセグメンテーションをしてから適切なマーケティングを行うのとは訳が違うのです。

5.営業が対応できない

インターネットの普及により、現在は人員配置の変更で過去ほど営業がいません。それはシステム部やマーケティング部など現在強化している部署への配置が進んだためです。

こういった環境要因だけではなく、現在の消費者は営業と接するまでに自分で予め知識を蓄えています。それはおよそ60%もの知識を保有しているという調査結果もあるほどえす。一方的な営業トークを行っても、以前ほど消費者を納得させることも困難になっています。

まとめ

インタラプションマーケティングは、現在でも使い方によっては有用ともいえますが、時代にあったマーケティング戦略を取り入れることによる自社のブランディング、見込客の育成に注力することが重要です。
顧客が欲している情報を適切なタイミングで提供することにより、価値提供を行う。
より消費者に近い目線で営業することが今後の時代を生き残っていく正しい戦略とも言えるでしょう。

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