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デシル分析って何?活用方法も徹底解説!

自社製品やサービスを利用するユーザーをマーケティングの観点から分析する方法はいくつも存在しますが、中には高度なマーケティングスキルが重要なもの、コストが多大にかかるものなども多く、誰でも簡単に採用できるわけではありません。

今回は比較的コストもかからず簡単に分析が可能で、ユーザーが最終的に支払った金額に注目して、顧客を段階分けして分析する「デシル分析」という方法について解説していきます。

デシル分析って何?

デシル分析とは、顧客が企業に支払った金額に注目し、それを10個のグループに分けたのち各グループの購入比率や売上高構成比を算出する分析方法のことを言います。デシル分析することで、自社の売上貢献度や優良顧客を知ることができます。

この分析は主にECサイトで効果を発揮します。通販サイトで年間購入金額が10,000円以上であれば10%引き、50,000円以上であれば20%引きなどといった、段階的な割引サービスを見たことはありませんか? これらは金額別にグループ化され各段階で受けられるサービスが異なる典型です。

デシル分析を行うことで、貢献度の高いユーザーにしっかり自社サービスを還元することができる、双方にとって有益な関係を築くことが可能となるのです。

デシル分析を行う意味とは?

デシル分析を行う目的は、売上貢献度の高いユーザーを把握することで、効率的にマーケティング施策を実施できるという点にあります。

パレートの法則によると、売上の80%は上位20%のユーザーが生み出しているとあります。
そのため、自社の売上貢献度や優良顧客を知ることができれば、ここのグループに合った販促を行うことで売上アップが高確率で見込めることでしょう。同時に例えばリピート購入が少ない企業の場合は、金額の小さいグループに対し集中的にマーケティング施策を採ることが可能です。

デシル分析を行う企業は、売上貢献度の高いユーザーを囲い込むことで売上アップに期待しています。限られた経営資源をどのグループに注力していくかを判断するために分析します。

デシル分析の方法

デシル分析を行うために、顧客の購買データを取得していることが前提です。顧客数、購入額合計、購入金額比率、累計購入金額比率、1人あたりの購入金額を抽出すると、たいていの分析には事足りるでしょう。

デシル分析の方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

購入金額で顧客を並べ替える

対象顧客数が100名であれば、購入金額が多い順に並べていきます。ここで、購入金額のみならず累計購入金額も同時に分析することで、1回あたりの購入金額が大きいユーザー、リピートして購入してくれているユーザーがわかります
エクセルなどで単純に並び替えが可能です。

グループを10分割する

対象顧客数が100名であれば、上から10名ずつのグループに分け、購入金額の割合を計算します。

各グループの売上構成比を算出

例えば、100人全体の購入金額合計に対して、各グループの合計金額が何%になるかを算出します。
すぐに構成比率を算出できる点がデシル分析の大きなメリットです。しかしこれでは詳細なデータとはいえません。たまたま一度たくさん購入しただけのお客様など継続性の低い顧客も含んでしまいますので、分析の際はあくまで目安であることを忘れないようにしてください。

デシル分析の応用編、RFM分析って何?

デシル分析は非常に簡単な分析方法のため、企業規模や経営リソースの影響を受けずに分析することが可能です。しかしながら分析結果はあくまで数値化したデータです。ここには顧客の心理は考慮されていません。

さらに詳細分析を行う場合には、RFM分析を取り入れると良いでしょう。
RFM分析とは、Recency (直近の購入時期)、Frequency (購入頻度)、Monetary (購入金額)の3つの指標を使用します。その他はデシル分析同様、段階的に分けて顧客をグループ化します。

デシル分析では、例えば購入金額が1万円以上と認識していたグループが、RFM分析では1万円以上購入した顧客の中でも直近3か月以内とそれ以上にの期間に分けることができるようになると、マーケティング施策も異なりますよね。
1年前に1万円分を一度購入したお客様と半年以内に5千円分を二度購入したお客様では商品に対する思いも異なってきます。このような詳細の内訳を分析したい場合はRFM分析を取り入れてみることもおすすめです。

まとめ

デシル分析は、顧客の購買活動の結果を分析する方法ですので、エクセル機能があれば分析できます。顧客の購入金額さえわかれば分析ができ、グループ分けが可能となるので、大まかなセグメントの分析や発見に期待ができます。

おおまかなセグメントを把握すると様々な自社の課題が見えてきますが、顧客を理解し、適切なマーケティング施策(販促)を行うことができれば、売上アップやリピーターの育成にもつながることでしょう。

もしデシル分析を取り込んでいないという方は今すぐ実施しても課題を見つけることがあり翌月には効果が表れているかもしれません。

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