誰もがスマートフォンを手にして好きな情報にアクセスできるようになった昨今では、従来通りのマーケティングの手法ではうまく顧客へのアプローチができないとお考えの方は多いのではないでしょうか。
テレビだけでなくSNSやウェブページ、動画サイトでも事あるごとに広告が流れ、消費者はうんざりしている状態です。
もはや一方的に押し付けるような広告を見ると、その商品や企業に対しての評価が下がるようになってしまっているほどです。
そんな状況の中、従来の邪魔をするように出てくる広告とは違うマーケティング手法が注目を集めています。
その名も、「パーミッションマーケティング」です。
パーミッションマーケティングとは?
パーミッションマーケティングとは、事前に顧客の許可(パーミッション)を得た上で、販売促進活動を行うべきとする考え方で、米国Yahoo!の元副社長であるセス・ゴーディン氏によって提唱されたものです。
具体的な例としては、事前に商品についての情報提供を送ることについて許可を得た顧客に、メールで広告を流すようなものが挙げられます。
事前に許可を得ていることから、顧客からの反応がいいことや、良好な関係を築きやすいといった特徴があります。
また、従来の押し付けるようなマーケティング手法とは異なり、ネガティブな感情を想起させづらいといった特徴もあります。
とはいえ、事前に許可を取ればいいというわけではなく、十分な理解を得られないまま広告を出しても結局は一方的な押し付けになってしまいますので、相手に対して迷惑や不快感を与えないような内容が求められます。
パーミッションマーケティングの重要性
パーミッションマーケティングは消費者に対するものだけではなく、BtoB企業の場合でも非常に重要なものとなっています。
マーケッターの場合
例えばマーケッターの場合、展示会やウェブページで新規の取引先と繋がることが多いと思いますが、展示会でアンケートを取ったり、ノベルティを用意してダイレクトメールのパーミッションを取るといったケースが見受けられます。
しかし、ダイレクトメールのパーミッションは取れても、その先に実際に訪問するためのパーミッションは取れないことが往々にしてあり、いまいち実のある話に繋がりません。
新規開拓や販路拡大の為には質のいい取引先と繋がる必要があり、ダイレクトメールから実際に訪問するためのパーミッションを得なければなりません。
営業の場合
やっとの思いでなんとか営業のアポまでこぎつけたとして、それでは2回目以降の訪問のアポを取ろうしたところ、断れてしまうといったケースも珍しくありません。
それは、初めて訪問する際は、相手はあなたの企業はどれだけ価値があるのかを見たくて訪問の許可を出しますが、2回目以降は本当に必要だと思わない限りは、パーミッションを得ることはできないためです。
もちろんただ許可を取ればいいという話ではなく、あくまで相手との信頼関係を築き、あなたの企業と取引することに価値があると思ってもらう必要があるのです。
パーミッションマーケティングを取り入れる上で必要な5つのポイント
それでは、パーミッションマーケティングを取り入れる上で必要なものとは一体何なのでしょうか。
情報伝達手段の準備をする
まずは大前提としてメルマガでもダイレクトメールでも、なんらかの情報伝達手段の準備をすることです。
展示会などでパーミッションを得た相手に、情報の発信を行うところから始まります。
継続させる
次にそれを一度の連絡で終わらせるのではなく、継続して行うことが重要です。
繰り返し接することで、好感度が高まる単純接触効果を狙う意味もありますが、長期的な関係を築くことで信頼を得て、次のアクションに繋がるためです。
相互コミュニケーションを心掛ける
そして一方的なメッセージでは従来の押し付けるマーケティングと変わらないため、相手に反応してもらうようなコミュニケーションを心掛けましょう。
もちろん反応してもらうためには、相手が必要としている情報を提供する必要があり、それはどのようなものなのかをよく検討することが重要となります。
関係性の変化に伴いメッセージを変化させる
やりとりが長期的になれば、相手との関係も親密になっていき、徐々に見えてくるものがあるでしょう。
それは相手の欲しいものだったり、問題を解決する手段だったりと様々ですが、活用しない手はありません。
効果を測定する
以上の行動を元に、顧客がどのようなアクションを起こしたか、求めているものはなんだったのかのデータを蓄積していくことで、より良いマーケティングに繋げられるでしょう。
まとめ
パーミッションマーケティングは、顧客との関係性を築き、徐々に信頼を得ながら、次のアクションへのパーミッションを得ることの積み重ねです。
パーミッションを得続けることで、より多くの顧客の獲得に繋がり、より多くの利益を見込めるでしょう。
今回はBtoB企業での実例を挙げ、解説しましたが、もちろんこれはBtoCの際も同じことが言え、アンケートなどからパーミッションを得ることで、より強固な顧客になってくれる可能性が高まります。
長期的な関係を築き、信頼を得ていくことは短期的な施策では難しいことですが、パーミッションを得続けることこそが、情報に溢れる現代において必要なものであると言えるでしょう。