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コーホート分析って何?作成方法まで詳しく解説します

誰に何を売るのかを決めて、その上でどういう人ならその商品を買ってくれるかを検討することがマーケティングです。
その中でも特に重要になってくるのが消費者の「共通項を探る」ということです。
今回はこの「共通項」を探るマーケティングの分析手法である、コーホート分析について解説してきます。

コーホート分析ってそもそも何のこと?

コーホート分析とは、ある年代に生まれた人の趣味嗜好、生活様式や、行動、意識などから来る消費の動向を分析・調査をすることを言います。

同じ年代に生まれたという事は、その人たちは一緒に年齢を重ねていきます。学生時代に流行ったものや、就職するときの景気の動向、影響された人物など極めて近接性があります。

自社製品を売る場合にもこの「年代」を意識して販促活動をすることは重要です。無駄の少ない販促活動となるため、年代の分析をするためのマーケティングは欠かせません。

ただし、この分析はある年代の趣味嗜好などの共通項を分析していくので、ある程度の時間がかかります。市場のデータを分析する時に、違う視点からわけて変化を見ていく手法になります。
その視点というのが以下の3つに分類できます。

1.時代の変化からくる「時代効果」
2.年齢の変化による「加齢効果」
3.生まれた年代による「コーホート効果」

この3つの視点からマーケティングを行います。そして、年齢別・世代別構造を明らかにすることにより自社製品のターゲットの見直しや商品の需要予測を行うことにより無駄の少ない販促活動へとつながるのです。

コーホート分析の方法を解説

ではコーホート分析とはどのように行うのか見てみましょう。
ある年代を比べるという事は以下の理由でコーホート効果と切り離して検討することは極めて困難となります。
たとえば、1970年代に生まれた人と1980年代に生まれた人を比較するとします。現時点のデータで比較をすると、それは現在40代の人と30代の人との比較となるために、データとしては別々になってしまいます。

では1970年代に生まれた人について、現在から10年前のデータがあればそれは彼らが30代の意識になります。それを現在の30代の意識と比べたら、一見同じデータが取得できそうに感じますが、10年前の30代と現在の30代では時代効果によりうまく分析ができません

そこで、コーホート分析を効果的に行うために、以下の方法で行います。

回顧的方法

この方法は、コーホート分析を行う上で、「個人」に着目するという手法です。
つまり、「ある個人」に対し熱心にヒアリングをして、年代ごとの趣味嗜好、感性の違いについて調べるというものです。

例えば、今40歳の人に10代の頃関心があったスポーツは何ですか? と質問した結果、バスケットボールと回答したならばその理由を聞きだします。そして20代では、スキー、スノボーと答えたとしたらこちらも同様、その理由を聞きます。では、30代の時はどうか? これがゴルフだとします。

この人から感じられる傾向は、周りがやっているから、かっこいいからという理由の10代、20代だったものが、30代になり社会的に必要である、接待や社交の場と捉えるようになったという感性の変化が見受けられます。これが「個人」に着目するという方法です。

個人に対して深堀してヒアリングを行うために正確なデータが採取できる一方で、これを多数に実施することは難しく、質的にはコーホート分析にはなっても、量的には困難という事になります。

標準コーホート表を用いた方法

年代ごとに、加齢効果、時代効果、コーホート効果を一体化してその原因と理由を分析していく方法です。これには、標準コーホート表を用いて、加齢効果・時代効果・コーホート効果を考察していきます。

ただし、各効果の大きさを数量的に分離できるわけでありません。そうはいっても、分析者が様々な仮説を立てながら分析を進めることが可能なため、より正確なデータが採取できるというメリットがあります。

ベイズ型モデル

これは、統計数理研究所の中村氏によって提唱された分析方法です。
簡単にまとめると、コーホート分析をする上では、20代、30代、40代という区切りでなく、ゆっくり徐々に変化していくという特性を考慮した上で分析するものとなります。

これを分析すると、ある年齢から趣味嗜好や感性が変化したという、変化についてもわかるようになります。逆にどの年代では変化が少ないかもわかるようになりますので、マーケティングではとても有益なデータが得られます。

まとめ

コーホート分析では、ある年代の趣味嗜好を分析することにあります。
人は時代背景によって受けた影響を持ったまま年齢を重ねていくために、1970年代の人が30代の時、1980年代の人が30代の時と単純比較しても正確なデータを得ることができません。
ある時代に生まれた人の時代背景を切り離さずに時間が経つにつれどのように変化したかという目線で判断することが重要となってきます。
難しいように感じられるかもしれませんが、その変化の特徴がわかると自社製品の販促をするにあたり「何をどのように売ればいいか」が徐々に明らかになりますのでマーケティングを行う上で大変効果的なのです。

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