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ドミナント戦略ってなに?メリットとデメリットを詳しく解説

企業が経営するためには商品開発はもちろんですが、マーケティングにも資金を使っていく必要があります。
限られた資金を効果的に投入するためには広く浅く投入することもありますが、その分リターンも少なく、何より効果が表れるまで時間もかかります。

特定の範囲・エリアに集中して経営資源を投入する手法を導入することで早い時間で効果を実感するマーケティング手法がありますが、これをドミナント戦略と言います。今回はこのドミナント戦略について解説していきます。

ドミナント戦略ってなに?

ドミナント戦略とは特定の地域に経営資源を集中投下し、その地域での支配的な地位の確立を狙う戦略です。
リアル店舗型のビジネスモデルは、どうしても立地の良し悪しが関係してきます。
例えば、コンビニを新しく設立するにしても、ターゲット層をどの属性にするのか、学生か社会人かなどです。ここの設定によって大学にほど近い立地を選ぶか、オフィス街を選ぶかが違ってきます。そしてターゲットを見定めたら資源を集中的に使ってマーケティングし、それに応じた商品やサービスさらに従業員や各種イベントの内容、時期まで決定していくのです。

ドミナント戦略のメリット

ドミナント戦略の考え方は広く浅くではなく、狭く深くマーケティングをしていくことにあります。集中することで他社の追随を許さない存在として、そのエリアでは情報・経済強者となりますので、次のエリアを攻めるということが可能になるのです。そんなドミナント戦略のメリットとして以下のものが考えられます。

経営資源の効率的な活用

経営に使える資源に限りがあるのは、例え大企業であっても同じことです。そして、効果の薄い無駄な資源の使い方をすればやがて破綻を迎えます。

そこで、自社の製品・サービスがある程度勝負できると判断ができたら、適したエリアに経営資源を投入することで結果的には大きなリターンを得られるかもしれません。

出店範囲を狭い地域に限定するために、仮に近くに自社店舗があれば、仕入れや配送を同じトラックで行うことも可能です。さらに店舗間でスタッフや製品の移動をすることでコストを抑えることも出来ます。

このように店舗同士の距離の近さがあることでコスト削減となり店舗同士のシナジー効果が期待できるのです。

地域での認知が向上する

ドミナント戦略の一番のメリットは集中投下による後の知名度向上にあります。薄く広く出店したわけでなく、エリア集中投下をしたことで、ある分野には相当強いといったことがそのエリアでは広まることでしょう。

1つのものに集中して知名度が出来てきたら、他の付随した商品、サービスをその後展開していっても当初の知名度の印象を崩さずに普及させることができます。

エリアマーケティングの最適化がはかれる

ドミナント戦略では特化型の考え方を使うので、エリア限定で出店する以上、自社製品の購買層・顧客属性・売れる時間帯などのマーケティング結果は得やすい傾向にあります。これをのちに活かしていくことも可能です。
さらに、ウィークポイントもすぐに浮き彫りにされるため、是正しやすく無駄が少なくなるというメリットもあります。

競争優位性の確保ができる

ドミナント戦略ではその地域に根付くということも意味します。ということは後にそのエリアに出店しようとした企業は、なかなか市場に割り込むことができないということになります。逆に言うとここまで根付いていれば安定的に商品販売が出来、例えば違うエリアで苦戦している自社の他店舗をすく資金を得ることも出来ます。

ドミナント戦略のデメリット

一極集中型のドミナント戦略はある意味では諸刃の剣という面が否めません。そこで以下では考えられるデメリットについて言及します。

環境変化のリスクがある

例えば出店時には大学があったため学生向けの店舗を設けたが、のちに大学がつぶれてしまった場合は典型的なデメリットになるでしょう。インフラの整っていなかったことを逆手に、インフラ関連の事業で出店したものの、後に整いだした場合なども同様と言えます。

このようにドミナント戦略ではリアルエリアに言及していく以上、環境という変化する要因に振り回されることがあり得るということは肝に銘じておきましょう。

競合同士で顧客を奪い合うことになる

ドミナント戦略でうまくいった場合そのエリアでのブランディングに成功したわけです。そうなると当然2店舗、3店舗と出店していくと、これにより共食い状態つまり、カニバリゼーションの状況が発生します。同ブランドの店舗間でお客様の奪い合いと言う、意図しない結果になることがあります。実例でいうと、いきなりステーキやライザップはこのパターンになりました。
出店するエリアを厳密に調査のしてからでないとむやみに出店してもよいことはないでしょう。

エリア外への拡大が不利

ドミナント戦略によりそのエリアだからうまくいった、ということは大いにあります。同じ戦略が違うエリアで使えるかは未知数です。もちろん参考にはなりますが、同じ戦略が他の地域で使えるかはわかりません。

まとめ

ドミナント戦略は一極集中型のため、リターンや効果についてうまくいけば目に見えて成果が出ることでしょう。しかし、うまくいかなかった場合、大きなリスクを伴う戦略ですのでエリアの選定は考えられる項目、あらゆる角度から調査してからの出店をお勧めします。

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