昨今膨大なデータ、いわゆるビッグデータを収集し、経済活動をはじめとする様々なことに役立てることが当たり前となっています。
グーグルが検索履歴やオンラインで購入したものの履歴などをデータとして収集していることが明らかになり、個人情報保護の観点から騒ぎになったこともありました。
情報収集の範囲や是非については一度置いておくとして、そもそもデータを集めるだけではどう使っていいのか分からない、となってしまいます。
今回はそのデータを役立てるための手法、データビジュアライゼーションについて解説していきます。
この記事の目次
データビジュアライゼーションってなに?
日頃からビッグデータに触れる方には聞き馴染みのある言葉ですが、簡潔に述べるとデータ(情報)をビジュアライズ(目に見えるように)すること、です。
グラフや図を用いて、単なる数字の羅列をわかりやすく提示すること、とも言い換えることができます。
このデータビジュアライゼーションによって、問題の傾向や対策、因果関係などを明らかにすることが可能になるため、注目を集めています。
クロス集計を用いたアンケート分析も広義的にはデータビジュアライゼーションと言えますが、それだけでは明らかにできないもの、特に「関連性」をも取り扱うことができます。
具体的には製造における部品同士の関連性を明らかにすることで、新たな設計や手法の発見につなげることや、受発注先企業の依存度を明らかにすることで、経営の立て直しに役立てることなどが可能になります。
他にも効果的な広告の出し方の分析や、商品を提供する際の価格比較の仮説を立てるなどマーケティングの一助になります。
従来の構造化された表形式でのデータを持つことよりも、多くの可能性を秘めているのがデータビジュアライゼーションなのです。
データビジュアライゼーションのメリットは「わかりやすさ」
そんなデータビジュアライゼーションの最大のメリットはわかりやすさにあります。
データ分析を行う人はある程度今までの経験や知識から、自分の中での可視化を行うことでデータを活用できますが、慣れていない人はただの数字や表にしか見えません。
その状態で事象の関連性を説明してもうまく伝わらず、合意形成に時間がかかってしまいます。
一方、データビジュアライゼーションを用いた場合、数字や表をグラフや図に落とし込むことで、一目で理解できる説明を行うことができます。
何においてもわかりやすさは最も重要なファクターですが、というのもどんなに画期的で素晴らしいアイデアや合理的で正しい意見も伝わらなければ意味がないからです。
データビジュアライゼーションは、ビッグデータから得られた知見をわかりやすく提示するツールなのです。
データビジュアライゼーションのデメリットは「コスト面」
ただし、データビジュアライゼーションを用いるのにあたり、コストがかかるというデメリットも存在します。
データを加工するという工数が増加することはもちろん、常に新しいデータを用いることが必須のため、更新の手間がかかってきます。
とは言え、データの取得をクローリングで行うなどある程度自動化することは可能なので、導入にコストはかかるかもしれませんが、それらを補って有り余るメリットがあるのも事実です。
データビジュアライゼーションに必要なもの
デメリットの解説の中でも触れましたが、データを加工する必要があり、まずその加工する知識が必要になります。
とはいえ、専門的なプログラミングの知識やスキルは必要なく、データ加工をしてくれるツールを扱うマニュアルさえ理解できれば問題ありません。
そのツールも直感的に操作できるUIが用意されていたり、ウェブ上で無料で使えるものもあるため、特段困ることなくデータビジュアライゼーションを行うことができるでしょう。
そして最も大事なこととして、データビジュアライゼーションを何に使うのか、という視点です。
ただ見栄えのいいグラフや図を作成するだけでは意味がありません。
何を明らかにするためにデータを可視化するのか、目的と手段を間違えないようにしたいものです。
まとめ
データを可視化することで今まで見えていなかった事象を浮かび上がらせることが、データビジュアライゼーションです。
従来のX軸に感想、Y軸に属性を配置して分析するクロス集計よりもさらに細かな関係性を明らかにでき、マーケティングに役立てることが可能になります。
また、数字や表の状態では理解するのに相応の経験や知識が必要ですが、それらを専門外の人に説明を求められる場面というのは往々にして体力や時間を割かれる上に、結局よく分からないから今回は無しで、という残念な結末を迎えることも少なくありません。
しかし、データビジュアライゼーションを用いることでそれらの手間から解放され、説明する側も聞く側も双方にストレスのない合意形成を図ることが可能になります。
導入やメンテナンスにコストはかかりますが、それ以上に無駄な時間やストレスから解放されるため、データ分析でお困りの方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。