バイラルマーケティングは、マス広告を利用した不特定多数へ広める手法とは異なり、viral(ウイルス)という言葉から想像できる通り、人伝いに商品やサービスの内容を伝染させていくことで認知してもらうマーケティング手法です。
他のマーケティング手法とどこが違うのかも含め、今回はこのバイラルマーケティングに関するすぐに使える基礎知識をご紹介したいと思います。
バイラルマーケティングの特徴ってなに?
まずは、バイラルマーケティングを活用する際の注意点と特徴をご説明します。
バイラルマーケティングは1次的バイラルマーケティングと2次的バイラルマーケティングの2種類に分類されます。
1次的バイラルマーケティング
他社より品質の良い商品やサービスを作り、こんな良い商品やサービスがあると顧客に感じてもらうことで、その顧客が「これは誰かに話したい!言わずにはいられない!」という状態にすることを目標とします。
その結果、大きな広告施策を投じることなく自然と口コミによって商品やサービスが広まっていくという手法です。
ここのポイントは商品力です。1次的バイラルマーケティングでは、商品力が弱いとそもそも顧客が広めたいと思ってくれない場合があるので商品力が勝負になります。
2次的バイラルマーケティング
そうはいっても、いくら商品力があっても顧客が広めてくれる保証はありません。
そこで、顧客側で広めたくなるような方法の一例である、インセンティブを発生させることで口コミが拡散することを狙うのが2次的バイラルマーケティングです。
例えば、お友達を紹介してくれたら10%offで商品やサービスを受けられるといったものや、ポイントカードの発行をして紹介者に倍のポイントを付与するなどといったインセンティブなども有効でしょう。
バイラルマーケティングを実践するときに注意するべきポイント
バイラルマーケティングの最大の注意点は、口コミの不透明さにあります。
企業がプロモーション活動を行う際には、例えばCMを流すならCMを流す時間帯やキャッチコピー、起用する俳優さんや女優さんなどを企業側が選択します。そのため、そのCMで得られる効果を企業側はある程度予測することが出来ます。
しかし口コミで広めるとなると、どういうスピードでどういった広まり方をするのか、予め意図した方向に広がるという保証がありません。そのため予測を立てることが難しく意図しない方向に拡散されてしまう場合もありますので、これらの点を考慮しておかなければなりません。
また、どのような人が広めるのかも企業側で選ぶことができません。厳密には商品やサービスの内容によっては購買層が限定されるので口コミで広めてくれる人がどういう属性の顧客かはある程度はわかります。しかし、自らプロモーションをするよりは不透明な広がり方をしてしまうリスクがあるのでここはデメリットとも言えるでしょう。
類似する他のマーケティングとの違い
バイラルマーケティングは口コミを手段としているため、同じく口コミを手段としたマーケティング方法である、バズマーケティングとインフルエンサーマーケティングと比べられることがあります。似ている部分もありますが、この3種類は違うマーケティング手法なのです。
以下ではこの違いをご説明します。
バズマーケティングとの違い
バイラルマーケティングが商品やサービスの品質の良さから、またインパクトから人に紹介したくなるように自然になるよう事を促す手法であったのに対し、バズマーケティングは意図的に口コミをしたくなるように仕向ける、その状況を企業側で作り出すことを目的とした手法です。
例えば、以前ご紹介した記事 バズマーケティングの例を挙げると、はなまるうどんは、エイプリルフールにその企画として当時話題となっていた深海の超巨大イカを天ぷらにしますというキャンペーンを実施しました。
結果、SNS上で話題になり、アクセス数はみるみるはね上がりました。
これは商品力ではなく、話題を提供し注目を浴びてそこから商品やサービスの購入につなげるといった手法です。
ある種の炎上商法にも見えますが、マイナスな方向の広がりではなく、印象や話題性に期待をしたとも言えます。
バズマーケティングは意図的に注目を集めて話題となることを目的としているのに対し、バイラルマーケティングは自然な情報拡散を狙った仕組みづくりを中心にしています。
インフルエンサーマーケティングとの違い
インフルエンサーマーケティングはその名の通り、インフルエンサー(影響力を持つ人)に商品やサービスの良さを語ってもらい、それを見た人が口コミで広めていってくれることを期待するというマーケティング手法です。
口コミという手段はバイラルマーケティングと同様ですが、こちらも商品力ではなくその広告塔にインフルエンサーを起用するという、商品力よりプロモーションに力が入っているマーケティング手法です。
インフルエンサーがある商品をSNSで流せばそのインフルエンサーの影響力次第では爆発的に商品やサービスも広まります。
まとめ
口コミは昔から使われていた広告手段です。しかし現代はインターネット、SNSの普及により、ある特定のメディアだけでなく誰でも気軽に情報を発信することが出来るようになったために、上記で紹介したマーケティング手法のように、「どのように拡散させるか」をある程度コントロールできるようになりました。
あなたの目的に合ったマーケティングを採りいれ、時代に合わせて変化しくことが生き残るための重要なポイントになります。