ビジネス・マインド関連

GAFAとはどのような存在なのか?

「アメリカのIT大手4社を挙げよ」と言われてすべて答えることができるでしょうか。アメリカのIT大手ということは、世界のIT大手のことです。日本でもとても身近な存在です。

 

まずアップルが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。

現在の「最も便利なIT機器」はスマホであり、スマホをつくったアップルは当然4強の1つです。

 

次にマイクロソフトを挙げた方は、残念ながら間違いです。マイクロソフトはいまや4強に入りません。

正解は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンです。4つの頭文字を取って「GAFA(ガーファ)」と呼ばれています。

 

もはや日本人のビジネスパーソンであれば、どの業種のどの業務に就いていても、ITを使わずに仕事を遂行することはできません。そのITを牛耳るGAFAについて、基本的な知識を持っておきましょう。

 

 

日経新聞が「GAFAが次の一手を探している」と報じた

日本経済新聞は2018年2月3日に、「米4強『スマホの次』争奪 AI・クラウド主戦場 市場支配に批判も」という見出しの記事を掲載しました。

日経がいまGAFAに注目したのは、この4社がいずれも過去最高の売上高を記録したからです。

 

GAFAの共通点

GAFA4社には「大儲けしている」以外にも共通点が存在します。それは、

  • プラットフォーマーであること
  • スマホで急成長したこと
  • スマホ市場の鈍化に激しい競争にさらされていること
  • 社会的な影響力が強くなりすぎて批判が高まっていること

の4点です。

 

なぜプラットフォーマーが強いのか

プラットフォーマーとは、基盤提供者と翻訳されます。特定のサービスを受ける人が必ず通過しなければならないのが基盤です。例えば、何か調べたいと思えばグーグルを立ち上げて検索します。グーグルはいまや、世界の人々の「調べる行為」の基盤です。買い物をしたい人はアマゾンを立ち上げます。なのでアマゾンは、世界の人々の「買い物」の基盤です。

 

基盤を一度握ってしまえば、後は顧客、消費者、ビジネスパーソン、企業から、自動的に何かしらのお金が入ってきます。FAGAはこうしたビジネスモデルを全世界で展開しているので、それで大きな利益を上げることができているのです。

 

FAGAはスマホで急成長

FAGAはこれまで、スマホの普及によって急成長してきました。

スマホをつくっているアップルは、そのものずばり、スマホの申し子といえます。

 

フェイスブックもスマホの便利さがなかったら、これほど普及しなかったでしょう。

グーグルもパソコンユーザーだけでは使用される機会は限定的だったはずです。スマホという子供や高齢者も使いこなせるツールが爆発的に広がったため、グーグルを見る人が増えてお金がより一層集まるようになったのです。

アマゾンも同様に、スマホによってネット通販が身近になり業績を伸ばしたのです。

 

FAGAの本業は以下の通りですが、そのすべてが「スマホ関連」といえるのです。

  • フェイスブック:SNSで世界1位
  • アップル:スマホで世界2位(1位は韓国サムスン)
  • グーグル:ネット検索世界1位
  • アマゾン:ネット通販世界1位

 

なぜ世界1位になると儲かるのか

アップルはスマホ世界2位ですが、それ以外の3社は本業で世界1位を獲得しています。この4社は世界一(または二)、顧客データを持っていることになります。

この顧客データこそ、FAGAの力の源泉です。

 

お金を使う人をがっちり握っているから

顧客の別名は「お金を使う人」ですので、この4社はお金を使う人を握っているようなものなのです。

FAGA以外の企業は、自社の製品とサービスを売るために、FAGAが持つ顧客データにアクセスしたくて仕方がありません。それでFAGAには広告の話が大量に持ち込まれ、広告収入で利益を上げることができるのです。

 

FAGAが模索する本業以外の道

スマホ市場は成長が鈍化しているとの指摘があります。それでFAGAはいま、あせり始めています。本業以外の道を模索しているのです。

 

AIスピーカーにはAGAが参入

AIスピーカーをご存知でしょうか。高さ30センチほどの筒(つつ)状の物体に「今日の天気は?」と声をかけると、天気予報を答えてくれるのです。そのほか、「飛行機を予約して」「部屋の電灯をつけて」といった要望にも応じます。

このAIスピーカー市場には、アップルとアマゾンとグーグルが進出しています。

 

クラウドでも3社が激突

また、クラウドコンピューティングは、企業が保有する大量のデータを預かり、企業が自由にデータを引き出せるサービスです。企業は自社にデータを保管しなくていいので、大きなサーバーを持たなくていいのです。

そのクラウド事業には、アップル、グーグル、アマゾンが進出しています。

 

これがFAGAの競争地図

そのほかの事業もまとめると、FAGAはこのように競争を繰り広げています。

スマホ ネット通販 検索 SNS 自動運転 AI

スピーカー

クラウド ニュースなどのコンテンツ
フェイスブック

本業

アップル

本業

グーグル

本業

アマゾン

本業

 

FAGAは、他社の本業に進出したり、新たな事業を始めたりして切磋琢磨しているのです。

 

FAGAの課題とは

ビジネスでは勝つことが重要ですが、勝ちすぎると公正な競争を害していると批判を浴びます。勝ちすぎているFAGAは、全世界からその批判を受けています。

 

個人データを独占していることへの批判

FAGAが個人データを持ちすぎているという批判は、特にヨーロッパで沸き起こっています。独占禁止法で規制する動きも出ています。

 

情報発信力が野放しになっていることへの批判

SNSでは原則、どのような情報を流してもよいことになっています。SNSは情報の素人が情報発信する場所なので、その情報に多少間違いがあっても仕方がないからです。

 

しかしフェイスブックの情報力は、一国の革命を引き起こすまでに強まりました。革命までいかなくても、先進国ですら政治や経済がSNSで簡単に動きます。もはや、新聞やテレビと同じ力をSNSは持っています。

 

しかし新聞やテレビは強力な規制がかけられていて、正しい情報を流さなければなりませんし、公正さも厳しく求められます。

一方のSNSはいまだに野放し状態です。これでは情報の受け手である国民、住民、市民、消費者を惑わすことになります。

アメリカではSNSの情報について規制を求める声が浮上しています。

 

まとめ~身近な存在のFAGAをチェックし続けよう

FAGAの動きを海の向こうの遠い話、ととらえないでください。日本で仕事をしている誰もがFAGAの影響を受けます。FAGAのニュースはこまめにチェックしていきましょう。

 

 

資料

「米4強『スマホの次』争奪」(日本経済新聞)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26477670S8A200C1EA2000/

「アマゾンも自動運転車を研究中」(JB PRESS)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49849

「なぜアップルは秘密裏に開発していた自動運転技術を公開し始めたのか?」(WIRED)

https://wired.jp/2017/12/13/apple-self-driving-technology/

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