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転売を始めるなら知っておきたい新品と中古品の定義

ヤフオク!などをチェックしていると「新品同様です」「未使用のため新品として出品します」といった説明文を見かけます。このような表記で「これって新品なの?それとも中古なの?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。そもそも新品と中古品の定義というのは、あまり知られていません。

 

したがって実際には中古品であるにもかかわらず、新品として出品している方も非常に多いです。この新品、中古の表記問題で大きなトラブルになる可能性は低いですが、決して0%ではありません。そこで今回は転売を始めるなら知っておきたい新品と中古品の定義について解説します。

 

新品の定義

 

まずは新品とはどのような状態のことを指すのかを詳しく見てみましょう。新品は生産者やメーカーの手によって製造、梱包されたものが、消費者などの第三者の手に届いていない(販売していない)状態のことを指します。商品が私たち消費者に渡るまでの経路は複数ありますが、法律的に新品と呼ぶことができると思われる流通経路は以下のとおりです。

 

【生産者・メーカー】→【最終消費者】

【生産者・メーカー】→【卸問屋】→【小売店】→【最終消費者】

 

私たちが普段利用している物は基本的に上記のような流通経路であることが多いです。生産者やメーカーから直接、最終消費者に商品が渡ることを「メーカー直売」ともいいますよね。

 

また【生産者・メーカー→卸問屋→小売店→最終消費者】の流れを経ている商品も非常に多いです。この経路の場合「生産者やメーカーから卸問屋、小売店へ販売しているのだから、この時点で新品と呼ぶことができないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

 

しかし、卸問屋や小売店は使用目的ではなく、販売目的で商品を仕入れています。したがって商品は使用感がまったくない、綺麗な状態です。またメーカーによる品質保証や不良品の交換対応などを受けることもできるため「新品」として扱うことが可能となります。

 

 

中古品の定義

 

中古品は「古」という文字が付けられているように一度消費者の手に渡って使用されたものが該当します。「古物」「セコハン」「ユーズド」などとも呼ばれる中古品ですが、ポイントとしては消費者に渡った時点で【新品→中古】となります。ちなみに盗品等の売買防止、速やかな発見を図ることを目的とした法律「古物営業法」によると古物とは以下のように定義されています。

 

この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引きされたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

【参考サイト】古物営業法,(略)古物法「第1章 総則」

http://www.houko.com/00/01/S24/108.HTM#s1

 

「使用されない物品で使用のために取引きされたもの」と記載されているように、仮に使用していなくても、使用目的で取引きされたものに関してはすべて「古物」として扱われることになります。

 

中古品や古物は一般的に一度誰かの手によって使用されているため、新品と比べると傷や汚れが目立つことも多いです(もちろん新品に近い状態を保っているものもあり)。また商品によっては動作にやや難があるため、中古品を購入する際にはそれらのデメリットを事前に把握しておく必要もあります。このような理由から新品よりも低価格で販売されているのも中古品の特徴となります。

 

 

 

オークション、フリマアプリでよく見かける新品表記について

 

オークションサイトのヤフオク!やメルカリなどのフリマアプリでは商品の状態について以下のような表記をよく見かけることがあります。

 

  • 新品未使用
  • 未使用
  • ほぼ新品、新品同様
  • 開封未使用品
  • 新品(購入日などを記載)

 

これらは購入してから一度も使用していないため、通常の中古品と比べると新品に近いのは間違いないでしょう。商品の状態が良好であればあるほどユーザーの入札率や購入率もアップするため、出品者側も新品に近い状態をアピールするのは当然です。

 

ただし、これらの表記は厳密にいえば新品ではなく「中古品」の扱いとなります。前述のように卸問屋や小売店から一度でも消費者の手に渡ったものに関しては新品として扱うことができません。

 

したがって上で取り上げた「新品未使用」という表記も、購入してから使用していないだけであり、正式には「中古品」として扱われることになります。慣例的にオークションやフリマアプリなどでは消費者が未使用もしくは未開封の商品は新品として認識されている傾向にあります。

 

もちろん未使用、未開封の商品は見た目や動作も新品と変わりがなければまったく問題はないでしょう。ただし、中には新品表記なのに汚れや傷が目立っていたり、動作に難があるものも含まれています。この場合は当然出品者と購入者の間でトラブルになる可能性も高いため、商品の状態表記については十分に注意しておく必要があります。

 

 

 

Amazonでは独自に新品・中古品の境界線が設けられている

 

せどりなどでよく使われるプラットフォームの一つにAmazonがあります。このAmazonへ出品するには「Amazonマーケットプレイス コンディション・ガイドライン」に従って出品作業を進めていく必要があります。

 

そしてAmazonでも新品と中古品の区別をする必要がありますが、こちらは商品カテゴリによって法律とは異なった独自のルールを定めています。一例を出すと「ビデオ・DVD」のカテゴリで新品として出品できる条件は以下のとおりです。

 

未使用かつ未開封で、もとの包装のままで同梱品がすべてそろっている完全な状態の商品。

【参考サイト】Amazon.co.jp「Amazonマーケットプレイス コンディション・ガイドライン」

https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=1085248

 

以上が「ビデオ・DVD」のカテゴリにおいて新品として出品できる条件となります。前述のように新品というのは小売店などから一般消費者に渡る前の状態のことを指しています。しかし、Amazonでは小売りされたか否かの問題に対しては記述されておらず、商品の状態によって分類されているのがわかります。

 

このように厳密にいえば新品ではない商品も、状態によっては新品として扱うことができるのがAmazonの特徴となります。また同じくAmazonの「TVゲーム」のカテゴリにおいて新品扱いできる条件は以下のようになっています。

 

未使用かつ未開封で、完全な状態の商品。元の包装のままで同梱品がすべてそろっている商品。メーカーのオリジナルの保証書がある場合、コンディション詳細の記入欄に、保証の詳細を記載する必要があります。なお、未開封確認シール、箱への糊付けなどの封がもともと施されていない新品商品に関しては、出品者が検品の目的で開封しても、①中身が未使用、かつ②中身と箱に瑕疵が無い、さらに③検品を行った旨、コンディション詳細の記入欄に記載されていれば、「新品」と見なします。

【参考サイト】Amazon.co.jp「Amazonマーケットプレイス コンディション・ガイドライン」

https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=1085248

 

TVゲーム関連の場合は動作確認などの検品目的で開封しても、その旨をしっかりと記載していれば新品として出品することができます。このように厳密(法律的)には新品と呼ぶことができない商品でも、Amazonでは一定の条件を満たすことで新品として扱うことが可能です。

 

したがってこれからAmazonでの転売を検討している方は、このコンディション・ガイドラインには一度目を通しておくようにしましょう。やはり新品とそれ以外の表記ではユーザー(購入者)の関心度や購入したいという気持ちも変わってきます。Amazonでは新品として出品できるのにそれ以外の表記で売りに出して失敗した、ということがないようにしておきたいですね。

 

 

 

中古品を新品と偽って出品した場合はどうなるの?

 

同一商品で価格が同じなら、ほとんどの方が状態が良好な新品を選ぶでしょう。したがって商品を出品する時に中古であるにもかかわらず、新品として扱う出品者も中にはいるかもしれません。

 

しかし、中古品を新品と偽って出品することは極力避けたほうが無難です。これは購入者とのトラブルを生む可能性があるためです。購入者の中には新品やほぼ新品のような完璧に近い状態のものしか購入しない方もいます。

 

このような方が新品と偽った中古品を購入すると、後日「新品だと記載してあったのに、傷や汚ればかりじゃないか」となってしまうケースがあります。また明らかに中古の状態の商品を新品として扱うと最悪の場合は詐欺罪や景品表示法の不当表示違反に問われる可能性もあります。

 

幸いなことに現時点ではヤフオク!やAmazonなどにおいてこのような問題で逮捕者などが出たことはないため、そこまで大きな心配をする必要はありません。しかし、売ることを優先しすぎて嘘偽記載をすると後々大きなトラブルになった時に不利になるのは出品者側です。したがって商品を出品する前には状態をしっかりチェックしておくことをおすすめします。

 

 

 

入札者・購入者に誤解されないためにできること

 

良心的な出品者であれば商品状態の記載はしっかりと行っていると思います。しかし、中には知識に乏しいため商品状態の説明文作成で悩む方もいるでしょう。そのような方はここで紹介する2つのポイントを意識してみてください。

 

新古品と表記する

出品する商品が未使用、未開封で新品に近い状態のものは「新古品」と表記しておくことをおすすめします。新古品とは販売はしたものの一度も利用されずに再び売りに出された商品のことを指します。

 

普段の生活でも時々耳にする「再販」というのは、この新古品に該当します。使用感がある明らかな中古品と違って製品はまったく問題ないことが多いのが新古品の特徴となります。前述の「新品未使用」「新品未開封」といった表記も新古品に含まれるため、曖昧な表現で相手を混乱させたくないという方は新古品で統一しておくとよいでしょう。

 

商品説明文の欄に状態をしっかりと記載しておく

時々ヤフオク!でも「中古品扱いとなります」といったような1行のみの説明文を記載している方を見かけます。このような説明文は後々トラブルが起きたり、商品がまったく売れない可能性もあるので極力避けるようにしましょう。

 

一口に中古品といっても「ほぼ新品に近い状態の中古品」「見た目は中古だが動作にはまったく問題のない中古品」「使用感が非常に目立つ中古品」とさまざまなレベルの中古品があります。

 

したがって単に中古品と明記しても購入を検討している方からすると「見た目は綺麗なの?」「普通に使用することはできるの?」といったさまざまな疑問が湧いてきます。この不安や疑問が取り除かれない限りは次の行動(入札、購入)に踏み切れない人も多いため、必然的に購入率の減少にもつながります。また中古品でも問題ないという方でも、あまりに状態が酷いと「失敗した」「騙された」という気分に陥るでしょう。商品状態の説明を簡潔にするメリットは少ないです。

 

したがって商品説明文の欄には「一度だけ使用しましたが、見た目、動作ともに新品に近い状態です」「使用感はありますが、動作はまったく問題ありません」など詳細を記載しておくことを推奨します。これは転売で安定した副収入を得るためにも大事なポイントとなりますので、常に意識しておきましょう。

 

 

 

まとめ

今回は新品と中古品の定義について解説しましたがいかがでしたでしょうか?少し複雑な点もあり、難しく感じることもあると思います。そのように感じた方は「一度でも消費者(私たち)の手に渡ったものは新品ではなくなる」と覚えておくとよいでしょう。

 

転売を行う上では購入者に誤解を与えることなく、スムーズに購入してもらうことが大切です。その目的を達成するためにも、商品状態などはしっかりと記載しておくことが好ましいです。転売で副収入を目指す方はぜひ参考にしてください。

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