ビジネス・マインド関連

BtoCとBtoBを考えるとCtoCが見えてくる

BtoCビジネスとかBtoBビジネスという用語は、一度は目にしたことがあると思います。

Bはビジネスで、「企業」といった意味です。

Cはカスタマーで、「消費者」という意味です。

 

BtoCは企業から消費者へという意味で、すなわちBtoCビジネスとは消費者向けの製品やサービスを提供しているビジネスのことです。

コンビニや家電メーカーはBtoCビジネスをやっている会社です。

 

BtoBビジネスをやっている会社は、例えば部品メーカーです。

部品メーカーがつくった部品は、その部品を使って製品をつくっている企業に渡ります。

企業と企業がビジネスをしているので、「BtoBビジネスを展開している」と表現します。

 

では、僕がみなさんに副業としておすすめしている無在庫輸入ビジネスがどのビジネス形態になるかというと、CtoCになります。

 

このBとCの考え方は、個人レベルの副業でも大切になっていきますので、押さえておいてください。

あなたの副業はCtoCだから強いのです。

その強みをしっかり理解して、副業で儲けましょう。

 

Cとは何か

かつてBtoCビジネスを展開していた企業がいま、続々とBtoBに転身しています。

なぜなら、Cである消費者というものは、気まぐれで移ろいやすく、その上あまり儲からないからです。

 

消費者が気まぐれで移ろいやすいのは間違いないとしても、消費者相手の商売が儲からないのはおかしいと感じませんか。

消費者あっての商売ですよね。

 

しかし消費者相手のビジネスは儲かりません。

 

消費者相手の商売は実は元々儲からない仕組みだった

なぜBtoCビジネスが儲からないかというと、消費者1人の買う力は高が知れているからです。

例えばあなたの年収が250万円だったとします。スーパーマーケットに行ったら、1個80円のトマトと、1個500円のトマトが売っていました。どちらを買いますか。

その日が特別な日でなければ、80円のトマトを買うのではないでしょうか。

 

ではあなたの年収が、突如1,000万円に増えたとします。そして再び同じスーパーマーケットに行って、トマト売り場に行きました。

それでも1個500円のトマトは買わないと思います。

80円のトマトで十分おいしいですし、必要な栄養を摂ることもできます。

 

消費者の消費活動は、年収が4倍になってもあまり変わらないのです。

これは住宅にも言えます。

年収500万円の人が頑張って4,000万円のマンションを買ったとします。

それを聞いた年収1,000万円の人は「自分は彼の倍稼いでいるから8,000万円のマンションを買おう」とは、通常はなりません。

せいぜい4,500万円の少し良いマンションを買うくらいでしょう。

 

なぜこのような現象が起きるのかというと、お金持ちは資産を増やしたがるからです。

また、消費行動の原動力となる物欲には上限があるからです。

 

同じものを求める人が多かった時代はBtoCで十分儲かった

ビジネス構造としては、C(消費者)を対象としたビジネスは儲からないのです。

しかし昔は、BtoCビジネスが儲かっていたのです。

なぜなら、かつての日本人は「他人と同レベルになりたい」と考える気持ちが強かったからです。同じでないと不安になり、みんながみんな、同じ商品を買い求めていたのです。

 

企業がヒット商品を生み出すと、同じものを欲しがる人の数が倍々に増えていったのです。

企業が1人の消費者の心を動かすことができたら、千個でも1万個でも売ることができたのです。

 

違いを求める人が多くなって商売しづらくなった

ところが現代日本人は、人と違うものを求めます。

確かにSNSなどで特定の商品やサービスが一時的にブームになることはありますが、すぐに陳腐化してしまい、売れなくなってしまいます。

 

そうなると企業としては、急に人気が出て商品の生産が間に合わなくなっても、生産量を増やそうとしなくなります。

生産ラインと従業員を増やしても、ブームが去ってしまったら多額の投資が無駄になってしまうからです。

 

アップル社はBtoC企業なのに世界1儲かっている。しかし…

BtoCビジネスが儲かりにくくなったのは事実ですが、アップル社だけは例外です。

スマートフォンのiPhoneは、世界中の消費者が買っています。

iPhoneは消費者が直接使う製品なので、それをつくっているアップル社はBtoCの会社です。

 

「BtoCなのに儲かっているじゃないか」と感じると思いますが、もう少し話を聞いてください。

 

そのアップル社は、世界で最も時価増額が高い会社です。

時価総額とは企業の値段であり、そのときの株式の値段×株式数で算出します。

アップル社の時価総額は、大体102兆円です。アップル社を買収するには102兆円必要ということです。

ちなみにパナソニックの時価総額は4兆円、ソニーは6兆円ぐらいですので、まさにけた違いです。

 

「やっぱりBtoCビジネスは儲かるじゃないか」と思うかもしれません。

しかし繰り返しになりますが、そうではないのです。

 

想像してみてください「アップル社がiPhoneをつくっていなかったとしたら」と

アップル社の売上高に占める割合は次の通りです。

iPhone(スマホ):72%

iPad(タブレット):9%

Mac(パソコン):9%

サービス:8%

その他製品:6%

(2016年第1四半期)

 

なんと、アップル社の売上に占めるiPhoneの割合は72%なのです。

想像してみてください、もし「アップル社がiPhoneを開発していなかったとしたら」と。

 

MacもiPadも、かつては世界中で売れたヒット商品ですが、いまや売り上げに10%もう貢献していないのです。

Macは伝説のパソコンですが、最近の若者はあまりパソコンを使わないので、Macといってもなんの製品なのか分からないかもしれません。

また、あなたの周りで、アップル社が鳴り物入りで開発した腕時計iWatchを使っている人はいますか。

 

MacもiWatchもとても魅力的な製品ですが、値段が高いので爆発的なヒットにつながっていません。それは値段の割に性能的には他社製品とそれほど差がないからです。

 

実はiPhoneも同じことがいえて、iPhoneは確かに他社製品にない魅力をたくさん持っていますが、しかしiPhoneユーザーが他社のスマホに替えたからといって、生活の質が極度に落ちることはないでしょう。

 

すなわち、消費者が急に「そろそろiPhoneでなくてもいいかな。格安スマホに乗り換えよう」と思った途端に、アップル社は大変なことになるのです。

 

C(消費者)を相手にした商売は、このようなリスクが常につきまとうのです。

 

Bとは何か

では次にBtoBビジネスについて考えてみましょう。

これは企業を相手にした商売のことで、親会社に部品を納入しているいわゆる下請け企業はBtoBです。

 

パナソニックもソニーもBtoBに力を入れ始めている

家電といえば、パナソニックやソニーが有名です。

僕たち消費者(C)は、やはりメードインジャパンかつ有名メーカーの製品を求めます。

パナソニックやソニーの家電を購入することは、嬉しい買い物の1つです。

 

ところがパナソニックはいまや、住宅機器メーカーであり、自動車部品メーカーでもあるのです。

パナソニックは住宅に組み込む装置を多数製造し、住宅メーカー(B)に売っています。

またパナソニックの電池は、電気自動車やハイブリッド車に使われています。

 

さすがにパナソニックのことを「下請け企業」とは呼びませんが、しかしトヨタや日産などの自動車メーカー(B)にとっては、パナソニックは部品メーカーであり、構造上はパナソニックは下請け企業です。

 

ソニーも企業向けの製品をたくさんつくって利益を確保しています。

なぜ大企業は自分たちの客としてC(消費者)ではなくB(企業)を選ぶのでしょうか。

 

B(企業)は必ず買ってくれるから確実な商売ができる

企業が企業を相手にした商売をしたがるのは、ビジネスが安定するからです。

BtoC企業は常に、消費者(C)の気持ちを先読みして製品をつくり、それをヒットさせなければなりません。しかしそれは神業に近い行為です。

 

ところがBtoBビジネスであれば、客である企業(B)に「どのような部品が必要ですか」「どれくらいの精度が必要ですか」「何個買ってくれますか」「いくらで買ってくれますか」と相談できます。

顧客の企業の要望に応えることも簡単ではありませんが、消費者の気持ちを先読みするよりは難易度が下がります。

 

しかもBtoB企業は顧客企業と契約書を交わすこともできます。

契約を結ぶということは、約束した内容の製品をつくれば、確実にすべて買い取ってもらえることを意味します。

 

BtoC企業は、消費者(C)と契約を結ぶことはできません。

例えばBtoC企業が消費者アンケートを行い、「絶対にその商品を買う」という回答が多数寄せられたとします。それでBtoC企業がその商品を売り出したところ、まったく売れなかったとします。

このようなことはよくあります。

しかしBtoC企業は、消費者に「買うって言ったよね。買うって言ったから大量につくったのに。買ってもらわないと困る」とは言えません。

 

つまり、契約書まで交わして買うことを約束してくれるB(企業)相手の商売は、とても手堅いのです。

これがBtoBの魅力です。

 

ちょっと整理します

BとCで話を進めているので、もしかしたら混乱しているかもしれませんね。

それでこれまでの整理と、ここからの結論部分の紹介を含めて、箇条書きで記しておきます。

ビジネス形態 メリット デメリット
BtoC 画期的なアイデアを持っている大企業なら大儲けできる 消費者(C)は移り気なので、ヒットが長続きしないリスクが大きい
BtoB 取引が安定する。契約した内容で確実に売ることができる。 下請けという立場になる。契約の範囲内でしか儲けることができない。
CtoC 個人の副業はCtoCが勝利の方程式といえる。

企業マインドを持たなくてもいいので、商売がしやすい。

個人の副業にとって、CtoCのデメリットはほとんどない。

 

CtoCである副業は強いビジネス

さて、ここまでのBtoCとBtoBの話は、「兆円」という言葉が飛び出すほど、大きなビジネスの話でした。

 

しかし僕のビジネスも、あなたの副業も、そこまで大きな商売はしません。

そこでここからはBtoCとBtoBの議論を僕たちの小さなビジネスに当てはめて考えていきましょう。

 

副業はCtoCビジネス

僕はかつて、サラリーマンをしながら副業として無在庫輸入ビジネスをしていました。

副業をしているサラリーマン自身は企業(B)ではないのでCとなります。

そして無在庫輸入ビジネスは客に直接商品を渡すので、CtoC(消費者から消費者へ)ビジネスになります。

 

ですのであなたの副業もCtoCです。

 

CtoCのままでOK

大企業はいま、客をC(消費者)からB(企業)に移行させていますが、副業をやっている人たちもCからBに移行したほうがいいのでしょうか。

つまりCtoCの副業サラリーマンは、CtoBに移行したほうがいいのでしょうか。

 

結論を申し上げますと、その必要はありません。

Cの立場でビジネスをやっている人はCtoCの土俵で戦ったほうが勝率は高くなります。

 

僕も気持ちの上ではいまだにCtoCをしている

僕はいま会社を立ち上げたので、本当はB(企業)なのですが、ビジネスのスタンスとしてはCtoCを維持しています。

それはまだ会社の規模が小さいからです。

僕の会社くらいの規模ですと、BtoCまたはBtoBのスタンスを取った途端にライバルが増え、激しい競争に巻き込まれてしまいます。

 

ゆくゆくはBtoCやBtoBを考えなければならなくなると思いますが、しばらくはCtoCで儲けていこうと考えています。

 

ですのあなたもCtoCで行きましょう。

 

「商材を生み出すとき」も「商材を売るとき」も消費者目線でいいので効率的

僕やあなたにとって、C(消費者)の立場でC(消費者)に商品を売ることの魅力はなんでしょうか。CtoCはなぜ副業に向いているのでしょうか。

 

それは「どちらも消費者目線でよい」からです。

「どちらも」というのは、ビジネスには商材を確保するときと、商材を売るときの2つの面があるからです。

CtoCは商材を確保するときも商材を売るときも消費者目線のままでいいのです。

 

ここは重要なので、もう少し噛み下して説明します。

 

企業マインドを持つことは大変。だからあえて手を出さない

副業をはじめとする小さな商売をしている人が、自分の商材となる製品やサービスを生み出すときに「企業目線」になってしまうと、企業マインドを持たなければならなくなります。

企業目線や企業マインドを持つことは、かなり難しいことです。

 

しかし自分の製品やサービスを生み出すときに消費者目線でよければ、普段の自分でいいわけです。

しかも客も消費者であれば、売るときも消費者目線でいればいいのです。

 

もし僕やあなたがB(企業)を客にしようと思ったら、売るときに企業目線を持たなければなりません。

 

つまり、CtoCはビジネス運用コストがとても安くすむのです。

 

年商1億円まではCtoCで行こう

もちろん大きく儲けるには、企業目線や企業マインドが必要です。

しかし年商が1億円に達するまではCtoCビジネスのほうが効率よく儲かるでしょう。

副業では、まずは徹底的にCtoCを極めることを優先しましょう。

 

 

《参考資料》

「Appleの売上のうち72%がiPhone、伸びるアジア太平洋での販売」(Yahoo!ニュース)

「B2Bソリューション事業強化に向けた顧客密着型体制の構築について」(パナソニック)

「法人のお客様」(ソニー)

 

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