インターネットにおける広告活用はもはや当たり前のように行われており、どの企業も積極的にインターネット広告を取り入れています。
今回は数あるインターネット広告の中でもインタラクティブ広告について解説していきます。
インタラクティブ広告って何?
インタラクティブ広告とは、ユーザーが能動的に行動を起こす広告のことを指しています。
従来の広告はバナーやテキストなどを表示し、それをみたユーザーが商品ページに飛ぶためにクリックする、といったものでしたが、インタラクティブ広告は、サイト上に表示される広告枠にゲーム性のある動的な広告を出すことで、ユーザーにより深く興味を持たせたり、商品の理解度を高める手法です。
動画の中の選択肢を選んでいくことでストーリーが分岐したり、広告で表示しているゲームをその場で体験できたりと、触れる広告といえばお分りいただけるでしょうか。
インタラクティブ広告が注目されている理由
インタラクティブ広告は、従来の広告のように「興味を持たせる」機能ももちろん備えていますが、どちらかというと「より深い理解をさせ、そこからフィードバックを得る」点に特化している広告です。
具体的には以下の3点のポイントが挙げられます。
商品やサービスに対する理解度が深まる
インタラクティブ広告は触れる広告と上記で述べましたが、実際に商品やサービスに触れることで、バナーやテキスト型の広告よりもユーザーの理解度が深められることが、大きなメリットでしょう。
そして、ユーザーは商品やサービスへの理解度が深い状態で購買行動へと移るため、利用率、定着率共に高い傾向があります。
事前に広告内で触ることで、「思っていたのと違った」などの理由による離脱を防げるのはとても魅力的です。
口コミ効果が期待できる
次に口コミ効果が期待できる点が挙げられます。
ゲーム性のある広告、特に得点や診断結果などが出るものは、ついSNSにアップしたくなるものですが、そういった点から従来の広告よりも口コミ効果に期待ができるのです。
仮に広告だけ触って購買はしないといった場合でも、確実に認知してもらえるため、後日何かの拍子に欲しくなる、なんてことも期待できます。
広告の効果測定ができる
実際にユーザーに触れてもらうために、どれだけのユーザーが購買までたどり着いたか、どのように拡散したかなど、広告の効果測定ができます。
バナーやテキストを表示したけど、いまいち効果が出ているのかわからないケースもよくありますが、インタラクティブ広告の場合、効果がどれだけ出ているのか一目でわかります。
インタラクティブ広告の事例
インタラクティブ広告の事例として、有名自動車メーカーが出したプロモーション動画の中で、助手席に恋人を乗せ、自分が運転している風景を360度カメラを回して見ることができるものや、雑貨ブランドの出した、動画の中にクリスマスプレゼントが100個隠されており、見つけたらクリックして集めていき、最後にはクリックした製品の詳細情報が表示されるなど、ユーザーに見てもらうだけではなく、実際に触ってもらうことに注力しています。
他にも化粧品のシーンに合わせた選択肢が表示され、選んでいくと最適な商品が表示されたり、選択肢を選ぶことでストーリーが変わる絵本のような広告など多岐に渡ります。
インタラクティブ広告の注意点
インタラクティブ広告を導入する際、気をつけるべきポイントがあります。
それは、どうしても広告素材のファイルサイズが大きくなるため、コンテンツを配信するサーバー側でトラフィックを回避しても、メディア自体が重くなってしまうことです。
また、動的な配信のため複雑な技術を用いることになり、ユーザーの使用しているブラウザやOSなどの環境によってはうまく表示されないこともあります。
トラフィックの増大に関しては、今後5G通信の普及などによって解決されそうですが、使用環境による表示の不具合は一つずつ丁寧に対処していかなければなりません。
ただし、あくまでサイトの主役は広告先のメディアやコンテンツであり、広告そのものではありません。
上記の事例のようにプロモーション動画として自社サイトの中に表示するのであればともかく、どこかに広告を出させてもらう状態であれば、これらの問題を念頭に置いて導入を検討すべきでしょう。
まとめ
インタラクティブ広告とは、ユーザーが能動的に行動を起こす広告のことであり、動画内の選択肢を選んでもらったり、実際に商品やサービスを体験してもらうことで、従来の広告にはなかった双方向のコミュニケーションを生み出します。
これにより、ユーザーには深く理解してもらえたり、より強く興味を持ったりしてもらえることが期待できます。
そして深い理解度を持ったユーザーは商品やサービスの利用率定着率が高い傾向にあり、従来の広告よりもより効果的な広告といえます。
ただし、ファイルサイズの増大によるトラフィックの増加や、動的配信に伴う技術的な制限などが存在するため、ところ構わずインタラクティブ広告を導入するのではなく、その場その場にあった広告手法を選択する必要があります。
とはいえ、ユーザーに深い理解度に加えて、口コミ効果への期待や、好印象を与えることが期待できるため、自社サイトを持っている企業であれば積極的に導入してみるのもいいかもしれません。