ヤフオク!である程度売上が伸びてくると「もっと作業を効率良くしたいな」「リピーターを増やしたいな」と感じることがあります。そのような方におすすめしたいのがヤフオク!ストアです。
ヤフオク!ストアは本格的に販売、転売を行いたいという方向けのサービスであり、売上アップをサポートする機能が豊富に備わっています。今回はこのヤフオク!にストアとして出店できる基本条件やメリット、デメリットなどをまとめましたので徹底解説します。
この記事の目次
ヤフオク!ストアとは?
ヤフオク!ストアの出店条件
まずはヤフオク!にストア出店できる条件を見てみましょう。ヤフオク!でストアを出店するには以下の2点のどちらかを満たしていることが条件となります。
- 過去1年間で事業として実店舗またはインターネット販売において、おおむね1000万円/年以上、もしくはおおむね100万円/月以上の売上があること
- 事業として1ヶ月あたりの出品数が200点以上、または一時点において100点以上の商品を出品予定であること
【参考サイト】ヤフオク!「Yahoo!JAPANでネットショップ開業」
https://business-ec.yahoo.co.jp/auctions/
以上がヤフオク!においてストアを出店できる条件となります。また申込み対象は代表者が満20歳以上の法人企業、個人事業主となりますので、個人の方は事前に税務署に開業届を提出しておく必要があります。これらの条件を見てもわかるようにヤフオク!ストアは事業レベルで商品の販売や転売を行う方向けのサービスとなります。
ストアという名が付いているように文字通り店舗としてヤフオク!で活動することになるため、個人の方と比べると必然的に注目度も高くなります。また売上条件も高めに設定されていることからストア出店をするにはある程度の販売実績、転売実績が求められます。
ヤフオク!ストアの料金プラン(手数料一覧)
ストア出店ができる条件を把握したら、次は料金プランを見てみましょう。ヤフオク!ストアを運営する際の基本的な料金プランは以下のようになっています。
項目 | 料金 |
月額システム利用料 | 無料 |
出品システム利用料 | 無料 |
落札システム利用料 | ロイヤルティとして落札額の7.56%(税込) |
出品取消システム利用料 | 無料 |
注目のオークション | 21.6円(税込)~ /日 |
ストアホットオークション | 54円(税込) /出品 |
太字テキスト | 5.4円(税込) /出品 |
背景色 | 16.2円(税込) /出品 |
最低落札価格 | 54円(税込) /個 |
贈答品アイコン | 10.8円(税込) /出品 |
目立ちアイコン | 10.8円(税込) /出品 |
ストアベストアイテム | 108円(税込) /口 |
※料金は2018年1月時点のもの
【参考サイト】ヤフオク!「料金プラン」
https://business-ec.yahoo.co.jp/auctions/price/
以上がヤフオク!ストアの料金プランとなります。詳細は後述しますが、ストア出店をすると各種利用料は一般アカウント(個人利用)よりも安くなります。したがって単純に料金面でヤフオク!をお得に使いたいという方は条件さえ満たしていれば、積極的にヤフオク!ストアを活用したほうがよいでしょう。
ヤフオク!ストアのメリット
ヤフオク!にストア出店できる条件を満たしていたり、料金プランが魅力的と思えたら、出店を検討する段階に入ります。しかし、ヤフオク!にストア出店することで具体的にどのようなメリットがもたらされるのかわからないという方もいます。そこでここではヤフオク!ストアの主なメリットを解説します。
月額システム利用料が無料
ヤフオク!ストアは以前は個人出品と同様に月額システム利用料がかかっていましたが、2013年10月以降は無料となりました。ちなみにヤフオク!で個人出品する際は月額498円(税込)が必要となります。
月額システム利用料も1ヶ月単位で見ると大きな額ではありませんが、1年間利用すると5,976円(税込)の費用が発生します。したがってこの月額料無料というのは経費削減の面でもメリットをもたらすことになります。
また月額システム利用料が無料になることで、仮に1ヶ月にまったく商品が売れない場合でも赤字になることはありません(ストア出店できる出品者クラスになると可能性は限りなく低いです)。ヤフオク側もストア出店の月額システム利用料無料は積極的にPRしていますので、この点はヤフオク!ストアの大きなメリットといえるでしょう。
業務の効率化を図ることができる機能が豊富
ヤフオク!ストアは基本的に個人事業主や法人向けのサービスです。したがって個人出品よりも業務の効率化を図ることができる機能が豊富に付いています。ヤフオク!ストアの業務効率化に役立つ主なツールには以下のようなものがあります。
- 出品ナビ
- 落札ナビ
- メールマガジン配信
出品ナビは商品を大量に登録する必要がある出品者に適した機能であり、CSVで出品データを作成、一括出品を行うことができます。また落札ナビは落札者との連絡のやりとりが簡単に行える機能となります。
ヤフオク!ストアではオーダーフォームというツールを利用することになりますが、これを利用することで落札者とのやりとりが一回で完了します。この他落札者への連絡メールや評価を一括で送ることができる機能もあわせて利用すると作業スピードが格段に向上するでしょう。
また個人出品にはない機能としてメールマガジン配信サービスも行っています。メールマガジンでは入札者や落札者に新商品やセールの情報をメールで配信することが可能です。これにより見込み客のリピーターにつなげることもできます。
継続的に続けることで入札者、落札者の増加も目指せる機能ですので、積極的に活用することをおすすめします。出品商品数が多い時に役立つ一括再出品機能も煩わしい再出品業務からの解放へとつながるでしょう。
出品上限数の増加
ヤフオク!ストアは本格的に販売、転売業務を行いたい方向けのサービスです。したがって一般アカウントの個人出品よりも出品できる商品数の上限が多く設定されています。個人出品の場合は最大出品数が3,000点までとなっていますが、ヤフオク!ストアは10,000点までの出品が可能になっています。
これは即決での販売がメインの出品者にとっては大きなメリットとなります。その理由としては即決で販売、転売を行う方が販売機会を増やすには単純に出品商品を増やす方法が効率的だからです。
もちろん1円出品が多い出品者にもメリットはありますが、低価格出品の場合は比較的在庫の回転率に優れていることから、この点はあまり大きなメリットにはならないと感じます。ただ本格的に事業レベルで販売、転売を行う出品者にとっては上限数が多いことで困ることはありませんから、いざという時には役に立つでしょう。
出品取消システム利用料が無料
出品した商品に記載誤りがあったり、商品情報が正しくなかったなどの理由で出品取消をしなければいけないケースもあります。この際に一般アカウントだと出品取消システム利用料として540円(税込)の料金が発生します。しかし、ストアアカウントの場合はこの出品取消の際に発生するシステム利用料は無料となっています。
もちろん取消料が無料だからといって何度も取消しを行っているとストアの信用度に傷がついてしまうため、使い方には注意しなければなりません。ただし万が一、取消しをしなければならない状況になった時に料金の心配をする必要がないため、この点は出品者側の立場から見ると大きなメリットとなります。
消費税の徴収が可能
ストア出店をすると落札者から消費税を徴収することができます。これは一般アカウント(個人出品)ではできないことです。転売や販売業務を行っている方で売上が1,000万円を超える事業者に該当する方は消費税を国に納める必要があります。この場合個人出品では消費税を徴収することができないため、非常に厳しいものがあります。
しかし、ヤフオク!ストアの場合は消費税の徴収が可能となるため、売上アップが見込める事業者や事業拡大を図る業者にとっては大きなメリットとなります。ちなみにヤフオク!ストアでは店舗設定ページより、税込価格での販売に変更することも可能です。
落札者からの信頼度もアップ
前述のようにヤフオク!ストアは店舗として販売業務を行うことになります。これは落札者側の視点から見ると信頼度が多少なりともアップします。個人出品の場合は審査などが不要であり、誰でも出品することができます。
したがって中には落札者からお金をだまし取る目的で出品を行う残念な人間も紛れ込んでいるかもしれません(可能性は限りなく低いですが0%ではありません)。一方ヤフオク!ストアでは出店前に事前審査を行うため、安全度は個人出品の場合と比較すると格段に高まります。またストア出品をすると商品情報の画面にストアアイコンが表示されます。
このストアアイコンが付いていることで入札者側も「お店としてやっているんだな」と認識するため、100%ではないにしろ信用度はアップします。特に相手の顔が見えないインターネットでの売買に関しては信頼度、信用度が大事な要素になります。ストア出店はこの点においても大きなメリットをもたらしてくれます。
ヤフオク!ストアのデメリット
ヤフオク!ストアには多くのメリットがあるため、積極的に有効活用すべきです。しかし、申込みをする前にヤフオク!ストアを利用するデメリットも把握しておくことを推奨します。
基本的にヤフオク!ストアのデメリットは少ないですが、開店してから「こんなはずじゃなかった」ということになる可能性もあります。したがって事前に注意点やデメリットも理解しておきましょう。
審査があるため、開店までに時間を要する
前述のようにヤフオク!へストア出店する際は事前審査があります。この審査があることで入札者、落札者の信頼度を高めることができますが、その分開店までに若干の時間を要するのがデメリットの一つです。ちなみに申込み~審査完了までに要する期間ですが、目安としては2週間~3週間弱となります。
もちろんこの期間はあくまでも目安であり、多少前後する可能性もあります。このようにストア出店には若干の待ち時間が発生します。したがってこれからヤフオク!ストアとして運営していくことを検討している方は極力早い段階で申込みをしておくことを推奨します。
社名・住所・電話番号などを公開する必要がある
ヤフオク!ではストア出店をする際には事業者名、住所、電話番号を常に表示させておく必要があります。いわゆる「特定商取引法に基づく表記」のことになりますが、ヤフオク!ストアではこの情報を隠すことはできません。
個人出品の場合は特定商取引法に関する表示は義務付けられていないため、匿名で出品作業を行うことは可能です(※落札者とは発送のやりとりを行うため、個人情報を知らせる必要があります)。
しかし、ストアの場合は住所や電話番号の表示義務が課せられているため、場合によっては営業メールや電話などがひっきりなしにかかってくることがあります。また個人事業主とサラリーマンの二足のわらじを履いている方は本業の会社にバレてしまう可能性もあるでしょう。
したがって会社バレを避けたいという方は何かしらの工夫を施す必要もあるかもしれません(例:両親など身内、親戚に名前と住所を借りるなど)。その他、事業者名や住所、電話番号を記載することで販売者としてより正確な作業が求められやすいことも理解しておきましょう。
ヤフオクストアの審査が通らない?審査落ちの理由とは
まとめ
本格的な販売、転売をサポートするヤフオク!ストアの魅力はおわかりいただけたでしょうか?ヤフオク!ストアは法人および個人事業主向けのサービスであり、業務の効率化や売上アップを目指す層にとっては非常に適しています。もちろんお店としてヤフオク!で活動することになりますから、事前審査などが発生することは理解しておかなければなりません。
しかし、その分入札者や落札者側の信頼度のアップにもつながるため、条件を満たしている方は利用する価値は十分にあるといえます。メリット、デメリットなどを事前に把握した上で有効活用していきましょう。