喉元過ぎれば熱さを忘れる、といいますが「格差社会」もそうではないでしょうか。
格差とは単に金持ちと貧乏人がいる状態をいうのではなく、富める人がどんどん富んでいき、貧しい人はどんどん貧しくなっていくことも含みます。
格差社会は人々の心をむしばみます。格差が大きい国は荒れます。
ですので、格差がない社会が良い国なのです。
格差社会という言葉は数年前に流行しましたが、最近はほとんど聞かなくなたと思いませんか。
日本の景気が良くなったので、貧しい人にもお金が回るようになり、それで格差がなくなったのでしょうか。
そんなことはありません。
格差は厳然として日本に存在します。むしろかつてよりしっかり根をおろしてしまっています。
僕には格差社会を解消するなんて力はありません。
しかし僕はあなたに、副業をおすすめすることができます。
もしあなたが社会の格差を感じていて、格差を受けることが嫌だと思ったら、副業を始めてみてください。
僕は、副業だけが格差を埋める手段だと思っています。
好景気に沸く日本の実態
いまの日本経済の状態がどれくらいすごいのか見てみましょう
バブル以来だし、長続きもしているし
日本の株式市場は12月29日に、日経平均株価22,764円を付けて2017年を締めくくりました。
年末の株価としては実に1991年以来という数字で、いままさにバブル以来の好景気を迎えているのです。
しかも2017年末の22,764円は2016年末の19,114円を上回っていて、前年末を上回ったのはこれで6年連続です。
景気の良さだけでなく、好景気が長続きしていることも注目されています。
働く場所もものすごく増えている
株価が高くなっても、株をやっていない人には関係ありません。一般の人の多くは、それほど熱心に株をやっているわけではありません。
ではこの好景気はあまり一般の人に関係していないかというと、そうではありません。
仕事がものすごく増えているのです。
有効求人倍率が2017年10月に1.55倍になりました。
これは、仕事を求めている人が100人いたら、155社が「うちの会社で働いてくれ」と言っているようなものです(1社1人を求めているとして)。
いま働く人は引っ張りだこなのです。
働く場所の選択肢が増えることは労働者にとって良いことですし、クビになる不安も減ります。
この好景気は、一般の人の仕事場を確実に増やしてくれています。
好景気はどれくらい続くのか
しかし、あれだけパワーがあったバブル景気も泡のように消えました。
ということは、この好景気もいつかは消えてしまうのでしょうか。
どの国の経済も好景気と不景気を繰り返すので、この好景気が消えることは確実なことです。
問題はいつ景気が落ち込むのか、です。
多くの経済専門家は、いまの日本の景気は「しばらくは続くだろう」と見ています。
彼らがそのように見ている根拠を紹介します。
企業の生産性が高まっている
日本の好景気がしばらく続く根拠の1つが、企業の力が強まっていることです。
企業の力を計測するにはいろいろなモノサシがあるのですが、生産性もその1つです。
かつての日本企業は、実質GDP(国内総生産)の成長率が2.5%にならないと、売上をアップさせること(増益)ができませんでした。
ところが最近の企業は、実質GDPが0.5%上昇しただけで、増益を確保できるようになったのです。
実質GDPは、国全体でどれだけ稼いでいるか、という指標です。その成長率が小さくても企業が増益できるようになったのは、企業がそれだけ生産性を上げたということです。
「企業の生産性が上がった」ということは、分かりやすくいえば「儲け体質になった」ということです。
つまり経済状況によらず、それほど良い状況でなくても確実に儲ける力がついた、ということです。
これは、人件費をかけない経営や、円高や円安に左右されないビジネスモデルを構築していったからです。
それで経済専門家は「企業にこれだけの力がついたのだから、しばらくは好景気が続く」と読んでいるのです。
ならば、企業に頼っていたほうが安全なのでは?
さてここまで、日本の景気がとても良い状態にあることを見てきました。
また、日本企業が儲け体質になったので、この好景気はしばらく続くであろうということも分かりました。
ならば「副業なんてせずに、企業を信じて企業に頼り切って、本業に専念したほうが安全なのではないか」と思いませんか。
「なのになぜ、西原は副業をすすめるのか」と思っていませんか。
そのような疑問を持っていただくことはとてもありがたいことなのです。
その疑問に対する答えが、きょうの本題です。
僕からの答えはこうです。
「格差が広がっているので、副業をしないと乗り遅れますよ」
今なお残っている格差を「数字で見る」
日本は好景気です。企業も元気です。儲けも出ています。
しかし企業の儲けが、労働者であるあなたには回ってきていません。
サラリーマンの平均所得はそれほど上がっていない
まず労働者の平均給与所得ですが、これまでの最高額は1997年の467万円でした。1997年といえばバブルの絶頂期です。
ここでいう「労働者」とは正社員も非正規労働者も含みます。
その後、労働者の平均給与は下がり続け、2009年には406万円まで落ち込みました。
2013年ごろから景気が上向き始め、労働者の平均給与は上がっていくのですが、それでも2016年で422万円になっただけです。
上記の内容をまとめるとこうなります
1997年 | 467万円 | ||
2009年 | 12年経過 | 406万円 | 13%減少 |
2016年 | 7年経過 | 422万円 | 4%上昇 |
労働者の平均所得は12年間で13%減ったのに、7年経っても4%しか回復していないのです。
労働者の給料はバブル崩壊後の後遺症をまだ歴然と引きずっているのです。
役員は12%も上昇しているのに労働者は正社員でも4%しか上がっていない
これっておかしいですよね。
日本経済が儲けたお金は、どこに向かっているのでしょうか。
察しが良い方はもうお分かりだと思います。そうなのです、お金持ちのところに向かっているのです。
企業などの役員の報酬は2012年から2016年までの4年間で568万円から634万円に増えました(所得ベース)。
一方、正社員労働者の年間所得は同じ期間に、468万円から487万円しか上がっていません。
非正規労働者に至っては、同期間に168万円から172万円しか上がっていないのです。
この数字を表にまとめると、格差が拡大していることは歴然です。
会社役員 | 2012年 | 568万円 | 66万円アップ | 12%上昇 |
2016年 | 634万円 | |||
正社員労働者 | 2012年 | 468万円 | 19万円アップ | 4%上昇 |
2016年 | 487万円 | |||
非正規労働者 | 2012年 | 168万円 | 4万円アップ | 2%上昇 |
2016年 | 172万円 |
会社役員の報酬は所得ベースで年間66万円もアップして、その上昇率は12%にも達するのです。
ところが正社員労働者の年間所得アップは19万円、上昇率は4%にすぎません。
非正規労働者に至っては年4万円しか上がっていないのです。
偉い人ほどさらにお金持ちにあり、偉くない人は少ししかお金が増えていないのです。
このように言うと、「景気が良くならなかったら上がらなかったかもしれないじゃないか。上がっただけ良かったと思わなきゃダメ」と反論する人もいると思います。
しかしそうではありません。
「わずかでも上がったんだからいい」とあきらめないで
好景気になって企業が儲かることで、わずかでも労働者の給料は上がりました。
でもそれであきらめないでください。
なぜなら、日本経済を好景気にしたのも、企業の業績を上げたのも、労働者だからです。
企業が儲け体質になったのは人件費を削ったからですが、それは非正規労働者が頑張ったからです。
企業が儲け体質になったのは生産性が上がったからですが、生産性が上がったということは、労働内容が複雑化して難易度が高まっているはずです。ということは、正社員の労働者が頑張ったから生産性の向上を達成できたのです。
だから本来は、企業が儲けた分の多くは労働者に向かうべきなのです。
せめて給料の上昇率は、企業役員と同率であるべきなのです。
副業がなぜ格差を埋めることができるのか
確かに企業は頼りになります。
「企業役員ばかり給料が上がって、サラリーマンの給料は増えない。そんなのはおかしいから、こんな会社辞めてやる」と短絡的になることは、僕も勧めません。
しかし、企業や会社役員が持つ「したたかさ」を、あなたも身に付けてください。
したたかになろう、副業しよう
あなたが身に付けるべきしたたかさは、副業です。
もしあなたが勤めている会社が「副業OK」でしたら、すぐに副業に取り掛かってください。
やるべきことは僕が教えます。
好景気なら、初めての副業でも売れる
いますぐ副業をやるべきです。なぜなら好景気だからです。
好景気のときはモノが良く売れます。
副業素人でも、簡単に売ることができます。
副業禁止の会社に勤めている人は準備をしよう
もしあなたが務めている会社が「副業NG」だったら、副業の準備に取り掛かってください。
副業には準備が必要です。
「副業NG」の会社も、今後OKになる可能性があります。
OKが出たときにすぐに副業に取り掛かれるように、「副業のやり方」を覚えておいてください。